近年の供養と仏壇の実態調査
2024年1月、全日本宗教用具協同組合が実施した「供養と仏壇に関する実態調査」の結果が公表されました。調査背景には、核家族化や住環境の変化があり、特に「仏壇離れ」「供養離れ」という言葉が頻繁に耳にされるようになっています。これに伴い、組合は人々の「供養」に対する意識を把握するため、調査を行いました。
調査概要
この調査は2024年1月12日から1月15日の間に30代以上の男女を対象にインターネットで実施され、1050件の有効回答が集まりました。調査対象者は、最近3年以内に喪主を経験した人、仏壇を購入した人、信仰を持たない人の3つのグループに分けられました。
調査結果のハイライト
1. 故人に対する想いの頻度
調査では、故人に思いを馳せる頻度において、仏壇を購入した人とそうでない人、さらに宗教を持たない人との間に明確な差が見られました。特に、仏壇を持つ人たちは「毎週1回以上」故人を思うと答えた割合が多く、心の拠り所として機能していることが示されました。
2. 手を合わせる頻度
「仏壇を持っている」と回答した人は、手を合わせたり祈りを捧げる頻度が高く、仏壇が故人を想うきっかけになっていることが確認されました。一方で、宗教を持たない人の中には、手を合わせた経験がほとんどないと答える割合が高く、全体では「1年に1回以下」という人も約25%存在しました。
3. 仏壇購入についてのデータ
調査対象者の約49%が10万円から50万円の範囲で仏壇を購入しています。最も多かった価格帯は20万円から30万円で、次に30万円から40万円となりました。興味深いことに、72%の人が専門店で仏壇を購入しており、オンラインショッピングよりも実店舗での購入が主流です。
また、仏壇を購入していない人の中で次回の購入予定がないと答えたのは27.1%でしたが、その多くは実家に仏壇があるという理由から、実質的には購入を考えている人が多いこともわかりました。
調査からの考察
調査結果からは、核家族化や住環境の変化により、従来の伝統的な供養スタイルから、よりコンパクトで現代的なデザインの仏壇への移行が進んでいることが見えてきます。特に都市部では、スペースの問題があり、手元供養のような新しい供養の形も受け入れられつつあります。しかし、一方で一定数の人が故人に対しての想いを持っていない結果が見られ、これは少なからず社会的な問題とも言えるでしょう。
今後の方針
全日本宗教用具協同組合では、こうした意識の変化に対応した商品展開やサービスを考えていく必要があると感じています。現代社会の中で命の重さや人を大切に想う気持ちが忘れられないよう、仏壇の存在意義や祈りの文化を引き続き発信していく所存です。
お問い合わせ
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