災害への備え、あなたは大丈夫? 最新調査でわかった防災意識の実態
近年、地震や台風、水害など、自然災害の発生頻度が増加しており、多くの人が防災対策の必要性を感じているのではないでしょうか。
株式会社プラネットが実施した防災対策に関する意識調査の結果から、備蓄状況や災害時の不安、具体的な対策など、気になる調査結果を詳しく解説していきます。
備蓄状況:備蓄派が優勢だが、地域差も
調査では、自宅に防災用品や生活必需品を備蓄しているかどうかを尋ねたところ、「備蓄している」と回答した人は48.6%、「備蓄していない」と回答した人は44.7%と、備蓄派がやや優勢でした。
地域別では、南関東が58.6%と最も高く、東海が54.0%、北関東が51.9%と、南海トラフや首都直下型地震発生の懸念が数値を押し上げている可能性も考えられます。
住環境別では、都市部が50.9%、郊外が48.5%と半数前後が備蓄している一方で、山間部は34.5%と低くなっています。
備蓄開始時期:東日本大震災が大きな影響
備蓄を始めた時期については、「8~10年前」が26.2%と最も多く、次いで「11~15年前」が13.8%でした。これらの結果から、2011年3月の東日本大震災をきっかけに備蓄を始めた人が多いことがわかります。
備蓄していない理由:準備不足と費用面が課題
備蓄をしていない理由としては、「必要だと思っているが、準備できていない」が42.3%と最も多く、重い腰が上がらないという現状が浮き彫りになりました。
備蓄品:飲料水、ランタン・懐中電灯・ローソクが上位に
具体的に備蓄しているものとしては、「飲料水」が90.3%と圧倒的に多く、2位以下に「ランタン・懐中電灯・ローソク」「日常食」「乾電池」「非常食」が続きました。
2016年の調査と比較すると、「日常食」が16.7ポイント上昇しており、日持ちのするものを多めに買い置きする人が増えていると考えられます。また、「マスク」「携帯用・簡易トイレ」も増加しており、コロナ禍や災害時の課題意識の高まりが影響している可能性があります。
備蓄期間:3日分の食料・飲料水が推奨
備蓄期間については、支援が届くまで3日分程度の食料・飲料水の備蓄が推奨されています。今回の調査では、「飲料水」「日常食」「非常食」のいずれも、「2~3日分」が4割強、「4~6日分」が2割前後、「1週間分以上」が14.7~24%と、ある程度の備蓄をしている人が多いことがわかりました。
災害時の不安:ライフライン停止が最大の懸念
災害時に最も心配なことは「断水」と「停電」が7割超とダントツで、ライフラインの途絶を危惧する人が多いことがわかりました。
2018年の調査と比較すると、「断水」「停電」「ガスの供給停止」などライフラインに関する項目や、「携帯・スマホの不通」「電池切れ」など通信手段に関する項目で、心配する人が増加している傾向が見られました。
備蓄以外の対策:家具の転倒防止やハザードマップ確認が重要
防災用品の備蓄以外では、「家具の転倒防止対策」が36.6%と最も多く、次いで「自宅周辺などの防災・ハザードマップ」や「避難経路や近隣の避難所」の確認、「備蓄物資の定期的な見直し」など、防災意識の高い行動が見られました。
災害発生時の行動:募金や被災地支援が主流
居住地域以外で大規模災害が発生した場合の行動としては、「被災地の自治体や支援団体に募金をする」が31.7%と最も多く、次いで「被災地の産物を買う」が26.2%でした。
備えの重要性:日々の生活の中で防災意識を高めよう
今回の調査結果から、多くの人が災害への備えを意識している一方で、備蓄や具体的な対策には課題があることが明らかになりました。
費用やスペースの問題、避難時の持ち運びなど、様々な困難はありますが、今回の調査結果を参考に、いま一度自宅の備えを見直してみてはいかがでしょうか。
防災意識調査から見えてきた課題と希望
今回の調査では、多くの国民が災害への備えを意識している一方で、備蓄状況や具体的な対策には課題があることが明らかになりました。
特に、「必要だと思っているが、準備できていない」という回答が多数を占めた点は、防災意識の向上と具体的な行動のギャップを示唆しています。費用やスペース、避難時の持ち運びなど、様々な困難が備蓄や対策のハードルとなっていることが推測されます。
しかし、備蓄期間や備蓄品の内容など、具体的な行動に移せている人も多く見られました。また、防災訓練への参加やハザードマップの確認など、防災意識を高める行動も広がっています。これらのことから、防災に対する意識は着実に高まっていると言えるでしょう。
今回の調査結果は、防災意識の現状を把握するだけでなく、今後の対策を推進していくための重要な指針となります。行政や企業は、備蓄や対策に関する情報提供や支援体制の強化、防災意識の向上のための啓発活動などを積極的に行っていく必要があります。
個人のレベルでは、今回の調査結果を参考に、自分のライフスタイルや住環境に合わせた適切な備蓄や対策を検討することが重要です。また、家族や地域住民と連携し、災害に備えるための情報共有や訓練を行うことも有効です。
災害はいつ、どこで発生するかわかりません。備えあれば憂いなしという言葉通り、日々の生活の中で防災意識を高め、いざという時に慌てずに対応できるよう、しっかりと準備を進めていきましょう。