医療と地域密着を目指す新たな共創プログラム『FUTURE LENS』採択
医療法人社団オレンジが運営する在宅医療クリニック「診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ」が、日建設計とZebras and Company(以下Z&C)による共創プログラム『FUTURE LENS』に採択されました。このプログラムは、地域における医療のあり方を再定義し、地域住民も医療者となり得る新しい社会モデルの形成を目指しています。具体的には、軽井沢町で医療とまちづくりがいかに結びつくかを実証する研究を行います。
『FUTURE LENS』とは
『FUTURE LENS』は、日建設計がZ&Cと共に設計した社外環境デザインプログラムです。地域の社会起業家が取り組む事業の価値を体系化し、社会課題を可視化することで未来への視点を広げることを目的としています。このプログラムに採択された組織には実証研究費が提供されるほか、運営チームから伴走支援も受けられます。
本プログラムの一環として、医療法人社団オレンジは「いのちの終わりを支えることをまちづくりに組み込む」というテーマに基づいた実証調査に取り組む予定。軽井沢病院との連携を強化し、地域医療の新しい形の構築を目指します。
実証研究の進行
具体的な取り組みとしてスケジュールが設定されています。1年目は、医療者が地域を理解するための視察が行われ、対話の時間を持つことで相互理解を深めます。2年目には、地域の住民や組織とともにワークショップを通じて、意識を変えるための調査や対話の場を設けていく予定です。このように相互の視点からの学びを重視し、地域が主体的に関わるプロジェクトを進めていきます。
3年目以降には、これまでの活動を基に、地域共働の具体的な実装フェーズに移行し、持続的な地域医療の形を模索します。展開の様子はポッドキャストを通じて発信される予定です。
参加する研究者
また、本プロジェクトには各専門分野の研究者も参加して調査や仮説設定を行っていきます。堀田聰子教授や室田信一准教授、長谷田真帆特定講師、石川翔吾准教授など、様々な専門家が協力し、地域医療に関する多角的な視点からの支援が期待されます。
医療法人社団オレンジの概要
医療法人社団オレンジは、福井県福井市を拠点に在宅医療を展開し、地域に密着した医療提供を行っています。今回の『FUTURE LENS』という新たな試みに参加することで、医療の社会的意義を高めるとともに、地域の医療体制の強化を図っています。今後、地域全体で医療を支える社会作りに向けた取り組みが、軽井沢町を起点に全国へと広がることが期待されます。
今後の展望
このプロジェクトの実施により、地域医療がただの医療提供にとどまらず、住民全体で医療を支え合う新たな形へと進化することが期待されています。必ずしも病院という枠組みに限らず、町の資源や地域社会全体を活かした医療へのアプローチが、今後の日本の医療システムにおいて重要な役割を果たすでしょう。地域がつながり、共に支え合う社会実装の進展に、私たち一人一人が期待を寄せているのではないでしょうか。