2025年8月国内景気改善、猛暑特需や建設需要が原動力に

2025年8月の景気動向

2025年8月の国内景気は、記録的な猛暑とそれに伴う特需、さらには全国的な建設需要の増加によって、3カ月連続で改善しました。株式会社帝国データバンクの調査によると、景気DI（ディフュージョン・インデックス）は前月比0.5ポイント増の43.3となり、全業種が好転する中でも特に製造業、小売業、建設業の3つが顕著に成長を見せています。この傾向は、米国の関税政策に対する不確実性がまだ存在する中でも維持されています。

各業界の動き

特筆すべきは、飲食関連や熱中症対策商品、さらにはエアコンといった関連商品の需要が急増したことです。猛暑により飲食店、食品スーパーなどでの購買活動が活発化し、これが全体の景況感を押し上げる要因となりました。また、公共工事や新しい建設プロジェクトの発注が相次ぎ、建設業も堅調に推移しました。

しかし、一方で外需に依存する企業はトランプ氏の関税関連の混乱に影響を受けており、屋外レジャーの低迷や価格転嫁の遅れが問題視されています。

業界別の景気評価

2025年8月の調査結果では、製造業と小売業を中心に好転が見られました。全体として、9つの業界のうち製造、建設、小売が改善し、サービス業のみが悪化しました。特に製造業の中で、飲食料品や飼料、化学品製造が好調でしたが、自動車関連は悪化しました。小売業においては、お盆期間の消費刺激が好材料となり、医薬品や日用品の需要も回復しました。