MagicPodが資金調達しテスト自動化を革新
2022年に一般公開されたChatGPTの影響を受けて、生成AI技術はプログラミングやブラウザ操作などの様々なタスクを人間の代わりに実行する「AIエージェント」の登場により、新たな時代を迎えています。特にソフトウェア開発分野では、Claude、Cline、Cursor、Devinなど、多種多様なAIエージェントが開発され、開発者の作業効率を向上させる事例も増えています。この1年間で、開発生産性が8倍に向上したとの報告もあることから、AI技術の恩恵を受けた新しい開発手法が注目を集めています。
この流れの中で、ノーコードE2Eテスト自動化ツール「MagicPod」を運営する株式会社MagicPodが、さらなる進化を遂げるために、HIRAC FUNDおよびOne Capitalを共同リード投資家としたシリーズBラウンドで5億円の資金調達を行いました。この資金調達をもとに、ノーコードとAIエージェントを組み合わせた新たなテスト自動化の開発に取り組む方針です。
ソフトウェアテスト自動化の重要性
アジャイル開発や内製開発の流れに沿って、ソフトウェアテストの自動化はますます重要性を増しています。「MagicPod」はすでに500社以上に導入されており、そのニーズの拡大が見込まれています。しかし、依然としてテスト自動化は170兆円規模の市場に対してわずかな部分にとどまっています。その理由の一つは、従来のテストと比較して、自動テストスクリプトの作成やメンテナンスが依然として複雑で手間がかかる点にあります。
「MagicPod」では、この問題に対する解決策として、内部にAIエージェント技術を組み入れたり、外部AIエージェントとの連携を進めたりしています。その第一歩として、「MagicPod MCPサーバー」のベータ版を提供開始。この技術により、テストの実行や統計情報の取得がAIエージェントを通じて可能になり、導入企業の自動テストのさらなる効率化を実現しています。
新機能の詳細
MagicPodが今回の資金調達を通じて強化する新機能の中心となるのは、外部AIエージェントとの連携および、内部AIエージェントの搭載です。"MCPサーバー"では、ユーザーが自然言語でテストケースの作成、変更、実行を行えるようになります。これにより、従来の手法と比べてはるかに直感的にテストを操作できるようになります。今後、AIエージェントを介したテストケースの生成機能も加わり、より柔軟で実用的なテスト設計が可能となる見込みです。
加えて、「MagicPod」自体に搭載されたAIエージェントが、失敗したテストケースの自律的なメンテナンスを行う機能も強化されます。AIが過去のテスト結果を学習し、適切な修正を提案することで、テストの質を保ちながらコストを削減することが期待されます。
AIエージェント技術の意義
MagicPodがAIエージェント技術に取り組むことで、ユーザーはコード型自動テストツールやAIエージェントだけでは得られない付加価値を享受できます。特に、ノーコード形式でテストケースを見ることができるため、専門的な技術がなくても誰もが理解し活用できる点が大きなメリットです。また、AIによって生成されたテストは「MagicPod」内に安定した形で保存されるため、信頼性の高いテスト実行が実現されます。
このように、「MagicPod」は今後もテスト自動化のスタンダードを形成すべく新しい技術を開発し、企業にとってのコストと品質問題の解決に寄与していくことでしょう。
企業情報
株式会社MagicPodは、東京都中央区に本社を置き、2012年に設立されました。モバイルアプリやウェブアプリのテスト自動化に対応する「MagicPod」を開発・運営し、すでに多数の企業に導入されています。
公式サイト:
MagicPod公式