ENEOS Xploraと同志社大学、CO₂からの固体炭素製造に向けた共同研究開始
地球温暖化が進行する中、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向け日本が取り組みを進める中、ENEOS Xplora株式会社と同志社大学が新たな挑戦を始めました。それは、二酸化炭素(CO₂)を資源とし、固体炭素を製造する技術の実用化を目指す共同研究です。2025年度から2026年度にかけて行われるこの研究が成功すれば、CO₂を100%の原材料として活用する技術が確立される可能性があります。
CO₂を資源にする意義
現在、カーボンブラックなどの機能材として世界中に需要がある固体炭素ですが、従来は石油や石炭といった化石燃料を使用して製造されています。この過程ではCO₂が排出されてしまうため、持続可能な環境への影響が懸念されています。しかし、ENEOS Xploraと同志社大学の共同研究が目指すのは、CO₂を原料に再利用し、その量を減少させる、「CO₂のネガティブエミッション」を実現することです。これにより、環境対策に大きな貢献が期待されます。
革新的な技術アプローチ
本共同研究の特筆すべき点は、溶融塩を用いた電気化学反応を利用していることです。この独特なプロセスにより、特定の条件下で効率良く高機能の固体炭素を生成できる可能性があります。特に、溶融塩が持つ優れた化学反応性が研究の鍵を握っており、これからの研究がどのように進展するのか大変楽しみです。
ENEOS Xploraは、国の持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、積極的に取り組みを進めています。持続可能性を意識した新たな価値の提供を目指し、同志社大学との連携を通じて新しい技術の開発を目指す姿勢が注目されます。
未来のビジョン
この共同研究は、単に科学技術分野に留まらず、社会全体に影響をもたらす可能性があります。固体炭素の製造が進めば進むほど、CO₂の排出が減っていく新たなサイクルが生まれ、持続可能な未来を切り拓く力を持つでしょう。今後、同志社大学に設置される実験設備を用いて、基礎研究が進む予定です。
ENEOS Xploraと同志社大学は、この共同研究を通じて、持続可能な未来の実現へと共に歩みを進めていきます。地球環境に配慮した新技術が、より多くの人々に受け入れられ、実用化される日が待ち遠しい限りです。