KDDIが導入する新しい停電対策技術の実証試験
KDDI株式会社とそのグループ会社であるKDDIエンジニアリングは、2024年4月より、愛知県名古屋市の日本ガイシ株式会社が開発中の亜鉛二次電池を使用した基地局の実証試験を行うことを発表しました。これは、災害時の長時間にわたる停電を想定したバックアップ電源設備の導入を目指した取り組みです。
災害時の停電対策の重要性
災害が発生した際に通信インフラが機能し続けることは、救援活動や避難指示の伝達のために非常に重要です。停電が続く状況では、通信の維持が難しくなるため、各基地局のバックアップ電源の強化が待たれていました。現在使用されている鉛蓄電池は、その重量や大きさから設置場所が限られてしまうため、亜鉛二次電池の導入に期待が寄せられています。
亜鉛二次電池の特長
亜鉛二次電池の最大の利点は、その軽さです。鉛蓄電池と比較すると約50%軽量で、同サイズながら容量は2倍に達します。したがって、設置可能な場所が広がり、基地局が72時間以上稼働することができるようになります。また、亜鉛電池は有害な鉛を含まず、発熱のリスクもないため、設置の際のコストや工事の簡易化にも貢献します。これにより、5Gネットワークエリアの拡大を後押しすることが期待されています。
実証試験の内容
本実証試験では、亜鉛二次電池を実際の基地局で1年間運用し、四季折々の温湿度環境での性能を検証します。さらには、停電試験なども行い、さまざまな条件下での亜鉛二次電池の実用性を確認していく予定です。KDDIおよびKDDIエンジニアリングは、この実証を通じて得たデータを基に、より信頼性の高い社会通信インフラを確立し、「つながる安心」を提供することを目指します。
未来を切り拓く技術力
KDDIエンジニアリングは、通信インフラの構築と保守をワンストップで行い、技術力で社会を支える企業としての使命を果たしています。5G、IoT、AI、ビッグデータが融合する時代において、安心で快適な未来を形作るための挑戦を続けています。
今後の実証試験の成果が、より多くのエリアでの通信サービスの安定性向上に寄与することが期待されます。
公式サイト:
KDDIエンジニアリング