新技術が建設業界の安全性を向上へ
マクセル株式会社は、清水建設と共同で新たに開発した後付け型建設車両向けガラス反射型ディスプレイ、通称BM-Displayの実証実験を実施しました。この試みは、建設業界の安全性を高めることを目的としており、2023年8月に行われた実験では、工事現場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した安全対策が評価されました。
BM-Displayの開発背景
工事現場では、数多くの異なる業者が日々出入りしています。その中で、安全対策が強く求められており、特にハザードマップの周知徹底が課題とされていました。現在、警告情報は通常、紙や電子データに依存し、ドライバーが自らの記憶や標識に頼っているため、忘れたり見落としたりすることで事故が発生するリスクがあります。
これを解決するために、マクセルが開発したBM-Displayは、フロントガラスに警告情報を適時表示する機能を持っています。これにより、ドライバーの注意を引き、事故を未然に防ぐことが期待されています。
実証実験の様子と成果
2024年7月からは、実際の工事現場での実証実験が行われました。この実験では、トンネル工事の現場にて、ダンプトラックにBM-Displayを搭載し、評価が行われました。自動車のフロントガラスに表示される警告情報は、ドライバーが記憶に頼ることなく、視線移動を最小限に抑えて確認できるよう機能されています。
これにより、実験参加者からは「注意喚起がすぐに伝わるため、運転がより安全になった」との声が聞かれ、実際に安全性の向上が確認されました。このシステムは、今後も他の工事現場への導入が期待されています。
今後の展望
建設業界は、労働力不足を抱える課題もあります。そこで、BM-Displayを搭載することによって、高齢者や新人ドライバーの運転中の安全性を高め、雇用の安定にもつながることが期待されています。さらに、バス、電車、除雪車など他の商用車にもこの技術を展開していく計画です。
マクセルは、独自の映像光学技術を駆使し、社会全体の安全と安心に貢献することを目指しています。今後もユーザビリティを考慮した製品開発と、労働環境の改善に向けた取り組みを続けていくでしょう。
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