マイクロンの最新データセンター向けSSD製品
2025年7月29日、米国アイダホ州ボイシで、マイクロン・テクノロジーが最新のデータセンター向けSSD製品を発表しました。これらの製品は、AIワークロードに対応するために設計されており、パフォーマンス、容量、電力効率の向上が実現されています。特に注目されるのは、業界初のPCIe Gen6対応SSDや、最高容量のE3.S SSDなどです。
Micron G9 NANDの新たなポートフォリオ
マイクロンが推し進めるG9 NANDは、業界初の第9世代3D NANDノードを採用しており、これに基づいたSSDポートフォリオは、異なるニーズに応えるために設計されています。これにより、データセンターで求められる大容量、高性能、低レイテンシを同時に達成しました。具体的には、3つの新製品が発表されています。
1. Micron 9650 SSD
こちらは、世界初のPCIe Gen6に対応したデータセンターSSDです。28GB/秒のシーケンシャル読み取り速度を持ち、AIの学習や推論を迅速に処理できます。この製品は、スループット向上と電力効率の両立を実現し、AI関連のワークフローに最適です。
2. Micron 6600 ION SSD
業界初の122TB E3.S形式のSSDとして知られるMicron 6600 IONは、ストレージ密度を67%向上させ、最大245TBの容量にまで拡張可能です。これにより、データセンターからの電力消費を大幅に削減しつつ、より効率的なインフラ構築が可能になります。
3. Micron 7600 SSD
メインストリームのデータセンター・ワークロード向けに、卓越したPCIe Gen5パフォーマンスを提供するMicron 7600 SSDも注目です。低レイテンシかつ信頼性の高いQoSを実現し、AI推論や混合ワークロードへの対応力が高まっています。
導入の容易さとエコシステム
これらすべての製品は、高い動作信頼性を兼ね備えた統合型の開発プロセスで設計されており、顧客に対してシームレスな統合体験を提供しています。また、Astera LabsやBroadcomなどリーディングエコシステムと連携することで、相互運用性の確認も容易に行えます。
高性能に向けた意気込み
マイクロンのジェレミー・ワーナー氏は、「業界の最前線でデータセンターのイノベーションを再定義しています。」と話し、データセンターSSDにおけるリーダーシップをより一層強化する意向を示しています。この発表により、顧客はパフォーマンス、密度、効率の新たな時代を迎えることになります。
特に、Micron 9650 SSDはAIパイプラインの高スループットと低レイテンシーの要件を満たす専用設計で、Dell Technologiesからも高い評価を受けています。また、NVIDIAもこの新型SSDの重要性を認識し、高速なデータアクセスがAI推論の効率化に寄与すると述べています。
結論
マイクロンが発表した新型SSD製品は、データセンターの能力を飛躍的に高めるものです。これにより、エンタープライズ環境におけるAI使用の可能性が広がり、業界全体に革新の波をもたらすでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。