狛江市での遠隔型自動運転実証実験
東京都狛江市では、地域の公共交通サービスの向上を目的として、様々な企業や団体が連携したコンソーシアムが結成され、ローカル5Gを活用した遠隔型自動運転バスの実証実験が進行中です。実証実験の実施は2024年4月から始まり、これは多摩地区初の取り組みです。
取り組みの背景
狛江市多摩川住宅地区では近年、再開発が進行中で、2025年以降には人口が約2倍に増加すると予測されています。しかし、公共交通機関における利用客の減少と乗務員不足が問題となっており、持続可能な交通サービスの確立が求められています。こうした課題解決の一環として、遠隔型自動運転バスの導入が検討されています。
実証実験の目的
この実証実験の目的は、多様な交通手段が共存する環境下において、遠隔型自動運転バスの効果を検証することにあります。特に、通信状況が厳しいエリアでの運行を可能にするため、ローカル5Gやスマートポールの活用が焦点とされています。
実証内容
具体的には、以下の3つの実証が行われます:
1.
公道での自動運転走行実証:小田急線和泉多摩川駅から多摩川住宅間、約5kmの区間で、ティアフォー製の自動運転バスを使用し、レベル2の自動運転実験を実施します。
2.
ローカル5Gによる映像・音声通信の実証:自動運転レベル4に向けた取り組みとして、ローカル5Gを使った遠隔監視との通信実験が行われています。
3.
スマートポールによる交通状況先読み:道路に設置したスマートポールから得られた情報を元に、自動運転バスが交通状況を予測し、より安全な走行が可能になります。
コンソーシアムの役割
狛江市と各関連企業が協力し、実証実験の地域貢献を図っています。特に、NTT東日本はプロジェクトのリーダーシップを取り、技術的な管理を担当しています。ティアフォーは自動運転車両の提供、マップフォーは必要な地図データの作成を行っています。
住民試乗会の開催
さらに、2024年12月20日と21日に、狛江市で住民試乗会が予定されています。このイベントは、実証実験の進捗を地域の人々に実感してもらうための機会です。参加者は事前に申し込みが必要で、詳細な走行ルートや時間については公式情報をチェックしてください。
今後の展望
このプロジェクトは、2027年度までの社会実装を目指しており、狛江市をモデルケースとして、他地域にも同様の取り組みを広げる方針です。このような遠隔型自動運転の実現により、公共交通の利便性が向上し、地域交通の課題解決が期待されます。今後の新たな交通サービスの展開に注目が集まります。