建設現場の課題とJIZAIPADの導入
近年、建設業界は深刻な人材不足、高齢化、長時間労働といった問題に直面しています。2024年問題と言われる時間外労働の上限規制の影響も懸念され、業界全体の効率化と省人化が急務となっています。
そんな中、注目されているのが建設機械の遠隔操作です。中でも、タワークレーンの遠隔操作は、高所作業の危険性を軽減し、作業効率の向上に大きく貢献すると期待されています。
株式会社竹中工務店が鹿島建設、株式会社アクティオと共同開発したタワークレーン遠隔操作システム『TawaRemo®︎』は、2020年から遠隔地からの操作を実現してきました。しかし、複数のカメラからの映像のタイミングのずれや、映像の鮮明さといった課題がありました。
これらの課題を解決するために、株式会社ジザイエのリアルタイム遠隔就労支援プラットフォーム『JIZAIPAD』が導入されました。
JIZAIPADによる改善効果
『JIZAIPAD』は、独自の映像圧縮技術により、リアルタイム性を飛躍的に向上させ、高画質で遅延の少ない映像伝送を実現します。これにより、オペレーターは現場にいるかのような感覚でタワークレーンを操作できるようになりました。
具体的には、映像の遅延を0.2秒以下に抑え、現場感覚に近い操作性を提供。さらに、ジザイエが開発した屋外用高解像度高速伝送カメラ「JizaiCam」の導入により、映像の遅延をさらに削減し、画質を向上させました。
「JizaiCam」には首振り機能も備えられており、オペレーターはカメラの角度を自由に調整し、タワークレーンの周囲状況を正確に把握できます。これにより、安全性の向上にも大きく貢献しています。
関係者の声
トップサービス株式会社技術部部長の小原豊氏は、『JIZAIPAD』導入による効果について、次のようにコメントしています。
「以前は2つのモニターを使用し画面を3分割して映像を確認していましたが、『JIZAIPAD』の導入により、映像を画面分割することなく全体を一目で把握できるようになりました。その結果、視認性が大幅に向上しました。さらに、映像の遅延も軽減され、これまで以上にスムーズでストレスの少ないタワークレーンの遠隔操作が可能となりました。広範囲を画面全体でしっかりと確認できるため、周囲の状況を正確に把握でき、安全性の向上を実感しています。」
今後の展望
ジザイエは、『JIZAIPAD』の機能拡充を継続し、建設現場におけるタワークレーンの業務効率化と安全性の向上に貢献していきます。
また、営業・開発拠点の拡大と採用強化を進め、より多くの建設現場への導入を目指しています。
JIZAIPADの概要
『JIZAIPAD』は、高品質な映像データを圧縮して伝送できる独自技術を活かし、通信環境が悪い場所でも、高フレームレート、高解像度の映像をクラウド経由で遠隔地に配信できます。2023年9月の正式リリース以降、建設土木現場や製造業工場などで活用され、高い評価を得ています。
ジザイエ社について
株式会社ジザイエは、「すべての人が時空を超えて働ける世界へ」というビジョンを掲げ、『JIZAIPAD』の開発・提供を通じて、リモートワークの普及に貢献しています。東京大学先端科学技術研究センター稲見昌彦教授の研究成果を基盤とし、オープンイノベーションと事業展開を推進しています。