医薬品開発の新たな境地「MicroED」
2025年11月4日、東京の浅草橋ヒューリックホールにて「第1回 MicroEDユーザーズミーティング」が開催されます。このイベントでは、スペラファーマ株式会社の大阪研究センターでサイエンティストを務める中井啓陽氏が、最新の電子回折技術を駆使した医薬品開発に関する基礎研究成果を講演します。
MicroEDとは?
MicroEDは、微小結晶の構造を解析する先進技術の一つです。この技術を通じて新たな医薬品の開発が加速される背景には、これまでの手法では困難だった構造の理解が進んでいることが挙げられます。粉末X線回折だけでは明らかにならなかった結晶多形の解析や、特定の水素位置の決定が可能になり、医薬品の創製プロセスが大きく前進しているのです。
講演の内容
中井氏の講演「新薬開発・創薬プロセスを加速する最先端3D ED/MicroED テクノロジー」では、具体的な事例をもとに以下の内容が紹介される予定です。
- - 粉末X線回折で困難だった結晶多形の構造解析
- - 水素位置の特定による塩・共結晶の構造直接決定
- - 錠剤中の有効成分構造解析と製剤前後の多形変化確認
- - NMRでは把握できないニトロソアミン類の短時間構造決定
これらの進展は、新薬をより迅速かつ効率的に開発するための武器となり得ます。
スペラファーマの取り組み
スペラファーマ社では、2024年に「XtaLAB Synergy-ED」による3D ED/MicroED解析装置を導入し、結晶スクリーニングや構造解析のクオリティ向上に努めてきました。また、2025年には株式会社リガクと業務提携を結び、医薬品開発のスピード向上を目指しています。これにより、短期間で数多くの基礎研究成果が実現されているとのことです。
参加対象者とお申し込み
本ミーティングは、XtaLAB Synergy-EDのユーザーを対象としていますが、電子回折を用いた微結晶構造解析に興味を持つ方ならどなたでも参加できます。単結晶X線構造解析では到達できない解析領域を、この機会にぜひ体験してください。参加費用や申し込み方法については、日本電子株式会社の公式サイトでご確認いただけます。
おわりに
医薬品開発の最前線で活躍する研究者たちと共に、新たな技術の可能性を探求する貴重な機会です。革新的な技術を通じて、未来の医薬品開発に貢献する一助となることを期待しています。ぜひ、多くの方に参加していただきたいイベントです。