LKM512とアトピー
2014-08-05 11:14:00
ビフィズス菌LKM512が成人アトピー皮膚炎に効果を示す臨床試験の結果
近年、成人型アトピー性皮膚炎の治療において、ビフィズス菌の一種であるLKM512が注目を集めています。これは、医薬品の臨床試験実施基準(GCP)に基づいて実施された治験により、その有効性が確認されたからです。特に、かゆみの軽減や生活の質(QOL)向上が期待されており、多くの患者にとって新たな治療の選択肢となる可能性があります。
研究の概要
本研究の目的は、GCPに準拠して成人型アトピー性皮膚炎に対するビフィズス菌LKM512の効果を検証し、そのメカニズムを解明することです。治験は、8医療機関で中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者44名を対象に実施され、二重盲検並行群間比較試験が用いられました。
研究方法
ビフィズス菌LKM512をカプセル化して摂取する群と、プラセボ群に分けて8週間にわたって効果を測定しました。この間、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトやサプリメント、さらには腸内環境に影響を与える納豆の摂取は禁じられましたが、他の食事は制限されませんでした。
評価項目
治験の評価項目には以下が含まれます:
1. かゆみのスコア(VAS)
2. 皮疹の程度
3. QOL(Skindex-29に基づく自己評価)
このように多角的に評価が行われ、治療の効果をしっかりと確認しました。
主な結果
研究の結果、LKM512を摂取した患者において、8週目にはかゆみが有意に改善され(笑)、医師の診断とVASによる評価が共に良好な結果を示しました。また、QOLについても、摂取開始4週目と8週目でそれぞれ有意な改善が見られました。これらの結果は、LKM512がアトピー性皮膚炎によるかゆみの軽減に寄与する可能性を示しています。
メカニズムの解明
さらに、治験後に糞便のメタボロミクス解析を行ったところ、かゆみを抑える働きがあるとされる物質、キヌレン酸がLKM512摂取後に増加していることが確認されました。このことから、ビフィズス菌が腸内環境に影響を与え、かゆみを抑制する作用があることが推測されます。実際、アトピーモデルマウスにこの物質を投与した結果、明らかにかゆみの行動回数が減少したという動物実験の結果も報告されています。
結論
以上の結果から、ビフィズス菌LKM512は成人型アトピー性皮膚炎に対する新たな治療法として期待される存在であり、GCPに準拠した治験でその有効性が示された初めてのプロバイオティクスです。かゆみの抑制に寄与するメカニズムの解明は、今後のさらなる研究にもつながるでしょう。今後、LKM512が多くのアトピー患者にとって有効な治療の選択肢となることを期待しています。
会社情報
- 会社名
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協同乳業株式会社
- 住所
- 東京都中央区日本橋小網町17-2
- 電話番号
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03-5943-8570