視覚支援の未来
2020-10-07 16:16:44
富士通エレクトロニクスとQDレーザが視覚支援機器の新たな未来を切り開く
富士通エレクトロニクスと株式会社QDレーザは、視覚支援機器市場における新たな可能性を広げるため、販売代理店契約を締結しました。これにより、QDレーザが誇る網膜走査型レーザディスプレイ技術を搭載した「RETISSAシリーズ」が、視覚障害を抱える方々に向けた革命的な製品として世界展開されます。
RETISSAシリーズの特徴
RETISSAシリーズは、QDレーザの革新的なVISIRIUM®テクノロジーを駆使した製品群です。この技術により、網膜上に直接映像を描写することが可能になり、視覚に障害がある方でも高い解像度で情報をグリッド上から得ることができます。特に、近視や乱視といった視力障害を持つ利用者にとって、従来の眼鏡やコンタクトレンズに依存せずに情報を視覚化できるのは大きな利点です。
世界市場への展望
2020年度からは日本、韓国、シンガポール、中国の市場において、RETISSAシリーズの販売が開始され、今後は米国や欧州市場へも進出が計画されています。これにより、全世界約2.5億人のロービジョン者を含む、多くの視覚に問題を抱える人々に対してサポートを提供することが目指されています。
富士通エレクトロニクスの代表取締役社長、荻原氏は「QDレーザの技術を初めて見た時、その可能性を強く感じました」と述べ、視覚障害者への支援を行えることに誇りを持っていると語っています。
製品の技術革新
RETISSA® Display IIは、三原色レーザ光源と、高速振動する微小な鏡(MEMSミラー)を組み合わせた非常に小型のプロジェクタを利用します。この装置は、視野中心部に直接デジタル映像を投影し、特別な眼鏡やレンズを必要としません。また、AR(拡張現実)の体験を提供するために、背景映像とのピントがずれない特性も持っているため、より自然な体験ができるのが特徴です。
期待される社会的影響
視覚障害者の支援だけでなく、近年増加している老眼や視力低下を補う技術としても期待が寄せられています。高齢化社会における老眼人口の増加やデジタルデバイスの利用普及は、視力低下を招いており、これに伴い視覚負担の軽減が重要な社会的課題となっています。RETISSAシリーズはこのニーズに応える製品として、広く利用されることが期待されています。
QDレーザの未来へのビジョン
QDレーザの代表取締役社長、菅原氏は、富士通エレクトロニクスとの提携によって、アイケア市場におけるビジョンを実現していく意欲を示しています。今後数万台の販売を見込み、3年間で累計10万台の拡大を計画しています。
このように、富士通エレクトロニクスとQDレーザの提携は、視覚支援技術の新たな時代を切り開くものとして、広く注目されています。視覚障害を持つ方々がより快適に生活できる未来を目指し、両社のさらなる取り組みが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社QDレーザ
- 住所
- 神奈川県川崎市川崎区南渡田町1-1京浜ビル1F
- 電話番号
-
044-333-3338