2024年の地価予測とアフターコロナによるホテル市場の動向
株式会社三友システムアプレイザルは、2024年9月調査に基づき、地価予測指数を発表しました。この調査は、当社と提携する156名の不動産鑑定士を対象に行われました。地価動向を知る手がかりとして非常に重要なものであり、特にアフターコロナの状況下における市場の影響についても深く掘り下げています。また、今調査ではホテル市場の過熱についての意見も収集されました。
地価予測の概要
調査結果によると、商業地の地価予測指数は東京圏が84.6、大阪圏が85.5、名古屋圏が80.0という結果に。特に大阪圏は万博効果により地価が大きく上昇している一方、名古屋圏はリニア効果が薄れているためか若干下落しているとのことです。これらの数値は、前回の調査結果と比較してどの圏域でも慎重な見方が増えていることが示されています。
オフィス市場の動向
東京のオフィス市場では、依然として大規模ビルの新設が続いています。ただし、今年と来年はそれほどの増加は見込まれておらず、再来年には昨年並みの供給が予想されています。最近では賃料が下落傾向にある中、空室率が目立つようになっており、不動産ファンドなどの所有するビルでは賃料を額面よりも抑え、フリーレントを長期化する傾向が見られます。
海外市場を見ても、米国のオフィス市場はコロナ後の影響で大きな打撃を受けています。ニューヨークのマンハッタンでは空室率が約15%、サンフランシスコではさらに上昇し約35%に達しています。この結果、日本の金融機関も海外のオフィス融資で大きな損失を抱える事態となっています。
住宅地の動向
住宅地についても商業地と同様の傾向が見られます。東京圏は81.4、大阪圏は79.8、名古屋圏は72.5と、特に大阪圏の上昇にはマンション需要も影響しています。しかし、現在の建築費の高騰により、新築物件の購入が富裕層に限られる傾向が強まり、幅広い層が購入できる機会が減ることが懸念されています。都市部での住宅購入者の多くは海外からの富裕層で、日本人は郊外へ流れる傾向が見受けられます。
アフターコロナのホテル市場
さらに、アフターコロナに関連してインタビューしたホテル市場について、寄せられた意見が紹介されています。観光の回復や国内旅行の需要増加が、ホテルの稼働率を押し上げる要因となっている一方、施設の改修工事や新たな投資が必要とされています。このようにして、アフターコロナの時代におけるホテル市場は過熱していると言うことができるでしょう。需要が高くなっている一方で、適切なサービス提供や施設改善に注力する必要があります。
まとめ
三友地価予測指数は、地価の動向を理解するための貴重な指標です。アフターコロナ景気とともに、実際の地価動向やホテル市場の能力を把握することで、今後の市場動向を見極めるための判断材料となるでしょう。これからも変化し続ける不動産市場の動向から目が離せません。