APB、全樹脂電池の量産化に向けて大規模な資金調達を実施
次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を手掛けるAPB株式会社が、約80億円の資金調達を行いました。この資金調達は、同社が開発中の新しい電池技術の量産工場を設立するための重要なステップと位置付けられています。
全樹脂電池とは?
全樹脂電池は、三洋化成工業とAPBの代表取締役である堀江英明氏によって共同開発されたバイポーラ型のリチウムイオン電池です。この電池の特徴は、樹脂を用いることで、製造コストやリードタイムの短縮を実現し、高い異常時信頼性とエネルギー密度を誇る点です。
従来の電池では金属が使用されており、コストや性能面での制約がありました。一方、全樹脂電池では電極に新開発の樹脂被覆を施し、樹脂集電体を利用することで、形状やサイズの自由度が高まっています。また、異常時にも温度の急上昇を抑制するなど、安全性にも優れています。
資金調達の背景と今後の展望
APBの今回の資金調達は、量産技術の確立および製造販売の開始を促進するために行われました。新しいパートナーとの協力を通じて、全樹脂電池の市場展開を加速し、さらなる成長を目指しています。堀江社長は、集電体や電池骨格に樹脂材料を再構築し、安全性と性能を両立させたことを強調しています。
三洋化成工業の安藤社長も、全樹脂電池が持つ可能性について語り、今後の電池や蓄電システムにおける重要性が増す中で、本技術が社会に貢献することを期待しています。
APBの企業背景と目的
APBは、2018年に設立されました。設立当初から堀江氏が率いる形で、リチウムイオン電池の研究開発を行っています。日産自動車の電気自動車「リーフ」の開発にも関与しており、その経験を活かした革新的な技術を展開しています。今後、「全樹脂電池」は多様な利用が期待され、持続可能な社会の実現に向けた一助となるでしょう。
地域産業への影響
APBの量産工場が設立されることで、地域経済にもポジティブな影響が及ぶと予想されます。新たな雇用や関連産業の活性化が期待され、地域全体の発展にも寄与するでしょう。
- 設立:2018年10月
- 所在地:東京都千代田区
- 代表者:堀江英明
- お問い合わせ:
[email protected]
長年にわたって蓄積された技術と新たな革新が結びつき、全樹脂電池が次世代の電池市場に与える影響は計り知れません。今後のAPBの動向から目が離せません。