AIと品質保証の未来
2026-04-03 16:32:24

AI駆動開発時代の品質保証の新たな役割を探るセッションレポート

AI駆動開発と品質保証の未来



2026年3月20日、東京ビッグサイトで開催されたソフトウェアテスト分野の国内最大級の技術カンファレンス「ソフトウェアテストシンポジウム2026東京(JaSST'26 Tokyo)」では、AI駆動開発(AIDD)や仕様駆動開発(SDD)が進化する中での品質保証(QA)の役割について、さまざまな視点からの議論が行われました。このセッションには、株式会社2WINSの代表取締役CEOである小川椋徹氏、ポールトゥウィン株式会社の久保雅之氏、後藤香織氏が参加しました。

AI時代のQA対応



本セッションの主なテーマは「AIDD・SDD時代のQA対応―QAは何を品質として観測するのか―」でした。特に、AIが設計やテスト工程を担う未来において、品質保証の再定義が求められているという指摘がありました。久保氏は、AIの普及により品質保証の前提自体が変わりつつあることを強調。すなわち、「品質が保証されている状態」とは何を意味するのか、再考が必要だと述べました。

また、久保氏は大規模言語モデル(LLM)の特性について解説。「LLMは確率分布に基づいて出力を生成するため、常に正しい結果を保証するものではなく、開発プロセスにおいて新たな課題をもたらす」と警鐘を鳴らしました。これに対して小川氏は、AIの下流工程における高い効果を認めつつも、全体の設計や環境依存性についての課題を挙げ、適切な設計が必要だと強調しました。

品質のエビデンスとQAエンジニアの役割



議論はさらに進み、従来の品質保証指標であるテストケース数やカバレッジに加え、仕様管理の重要性が強調されました。AIが開発速度を向上させる一方で、仕様の意図や背景を正確に把握することが難しくなってきるため、仕様自体の精度向上と管理体制の強化が不可欠であると整理されました。

久保氏は「AIによって品質保証の役割は検証だけでなく、上流工程における設計や意思決定に関与することにも広がっている」と指摘。従来のQAエンジニアが果たしていた役割についても、新たな挑戦を求められるようになっていることが分かります。

会話は盛り上がり、小川氏は「人間はAIと協力して、よりクリエイティブな部分に焦点を当てるべき」と述べ、AIとの協働によって品質保証のプロセスが進化する可能性を示唆しました。

変化する評価軸



このセッションを通じて、AI時代における品質保証の評価軸が「正しさ」から「確率」へ、「結果」から「プロセス」へと根本的に変化していることが明らかになりました。またQAの役割も新たな段階へ進んでおり、単なる検証にとどまらず設計や意思決定を支える重要な要素になってきています。

AIを前提とした開発環境では、品質保証に関連する概念や実務が再定義されることが急務です。今後、この変化が実際の現場にどのように影響を与えていくのか、注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社2WINS
住所
東京都文京区本郷 2-36-2TM 畑中ビル 3F・4F
電話番号

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