新たなコミュニケーションの未来を創造する「5005」
2024年5月1日、東京都台東区に位置する新しい文化拠点「5005」が設立されます。この場所は、手話や視覚言語を大切にする人々のために、出会いや交流の場を提供することを目的としています。「5005」は、一般社団法人日本ろう芸術協会と一般社団法人ooo(オオオ)の共同運営から、株式会社5005として新たな一歩を踏み出します。
設立の背景と意義
「5005」は、2023年10月に設立され、ろう者・難聴者・CODAと呼ばれる人たちが中心となり、手話を通じた文化交流を促進する場として活動してきました。新たに株式会社として運営されることにより、会員サービスや企業との共創など、さらなる発展を目指します。手話は音声言語とは異なり、独自の身体性や空間認知能力を伴うため、それらを活かした交流や議論の場を拡充していく方針です。
この「5005」では、異なる身体性や感覚を持つ人々が集まり、共に議論し、新たなアイデアを生み出します。企業との連携や共同研究を推進し、文化的な活動の発展にも寄与するでしょう。また、日本ろう芸術協会と一般社団法人oooは引き続き、イベントや展覧会を通じて、多様な人々にこの空間を開放し続けていきます。
レンタルスペースの開設
2024年5月16日からは、5005のレンタルスペース事業もスタートします。このスペースは、手話や視覚言語を基盤にした文化活動、舞台芸術の公演、イベントなど、さまざまな用途に対応した多目的施設です。面積53m²の平土間型ホールは、最大50人が収容可能です。具体的には、スクリーンやスタジオ撮影機材を備えており、CM撮影やライブ配信など、幅広い利用が可能です。特に、「デフスペース」の理念に基づいた設計がなされており、手話によるコミュニケーションを促進するよう工夫されています。
デフスペースデザインとInclusiveness
「5005」は、アメリカのギャロデット大学で考案された「デフスペースデザイン」の理念に基づいています。このデザインは、手話を使う人々にとって、快適で使いやすい空間を提供することを目的としています。具体的な工夫としては、広々としたガラス張りの外観や、目を合わせやすい円形の対話空間があり、視覚で会話しやすい環境が整っています。
また、この新しい空間を利用することで、身体的・感覚的に心地よい体験を得ることができ、参加者同士の交流がよりスムーズに進行します。
共有と発信の場
「5005」は、視覚的な文化が持つ特異性を活かし、社会に向けてさまざまな芸術や知識、可能性を発信する場ともなります。これにより、対等な社会の実現を目指しています。これからも多くの人々がこの場所に訪れ、視覚による新しいコミュニケーションの形を模索し続けることが期待されます。
詳細なレンタルスペースの情報や予約方法は公式サイトをご覧ください。
5005公式サイト
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このように、新たに生まれる「5005」は、視覚言語を通じた新しい文化や交流の場として、今後の発展が期待されます。