外来種とペットの関係
2026-02-20 11:52:57

外来生物法の施行から20年、ペットの影響と生態系への危機

外来生物法の施行から20年、ペット飼育がもたらす課題



公益財団法人WWFジャパンが2026年2月20日、外来生物法施行から20年の節目に「ペット由来外来種:日本における現状と課題」と題する調査報告書を発表しました。本報告は、近年社会問題となっている外来種の定着と拡散において、ペットとして流通する野生動物がどれほど関与しているかを詳しく検証したものです。国際的に生物多様性の減少が進む中、国内での外来種が引き起こす影響について重要な指摘がなされています。

調査の背景と目的



日本国内では様々な野生動物がペット目的で輸入され、ペットショップや展示即売会で広く販売される一方、飼育中の動物が逸走したり、飼えなくなったペットが遺棄されたりすることが増えています。この結果、外来種として定着し、在来生態系、人の健康、農林産業に悪影響をもたらすことが懸念されています。

特に、「侵略的外来種(IAS)」は生物多様性の損失をもたらす主要な要因として国際的に認識されており、その対策が急務とされています。また、世界全体の野生生物の個体数は1970年から2020年にかけて平均73%減少しており、急速に劣化が進んでいることが問題視されています。

そこでWWFジャパンは、ペットとして流通される野生動物の外来種化のリスクを明らかにし、具体的な事例分析を行ったのです。

主要な調査結果



調査では、2015年版の生態系被害防止外来種リストや各都道府県の外来種リストを元に哺乳類、鳥類、爬虫類を分析。結果、ペット目的で利用されている哺乳類が32%、鳥類が76%、爬虫類が76%に達しています。これは、ペット市場が外来種の供給源となっていることを強く示唆する結果です。

また、国内のペットショップや爬虫類のフェアで確認された148種類の中から、26種類(約17.6%)が国際的な外来種データベースにも登録されていることが判明しました。特に取引量が高いボールパイソンやコーンスネークは、今後国内で外来種化するリスクが高いとされています。

考察と今後の対策



本報告で明らかになったように、ペットとして飼われた動物が野外に定着し、在来生態系に悪影響を及ぼす例は少なくありません。例えば、アライグマは1970年代から日本に大量に輸入され、現在では全国46都道府県で生息が確認されています。これにより、農作物被害や住宅の損傷、感染症のリスクが現実のものとなっています。最も効果的な対策として「導入前の予防」が科学的に支持されています。

WWFジャパンは今後、科学的根拠に基づくリスク評価制度、高リスク種の輸入管理、飼育者による遺棄防止、早期発見のためのモニタリング体制強化を柱として外来種対策に取り組む方針です。生態系を元に戻すことは難しく、社会全体での理解と予防策の強化が不可欠です。

専門家の意見



WWFジャパンの野生生物グループは、外来種問題に対する予防的アプローチの必要性を強調しています。深刻化する前に戦略的に取り組み、生物多様性保護と社会の持続可能な発展を目指すことが求められています。また、現在取引されているペットの中には将来的に外来種となるリスクを抱えた種が含まれていることも認識されており、具体的な対策を策定する必要があります。

WWFジャパンの取り組み



WWFジャパンは「人と自然が調和して生きられる未来」を目指し、2030年までに絶滅の危機にさらされる野生動物がゼロになることを目指しています。今後も、課題を認識している事業者や消費者に対する啓発活動を続け、法整備に向けた対話を行っていく予定です。国際的なデータとケーススタディを駆使して、ペット利用に伴うリスクについての認識を広め、責任ある行動を促進していくことが重要です。

参考情報


次のリンクからさらに詳しい情報を得ることができます。

以上、本報告書から見える外来生物問題とその対策に関する概要をお届けしました。今後の動きに注目が必要です。


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会社情報

会社名
WWFジャパン
住所
東京都港区三田1-4-28三田国際ビル3階
電話番号
03-3769-1714

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