ローヤルゼリーの新たな可能性
株式会社山田養蜂場は、東海大学と共同で行った研究で、ローヤルゼリー(RJ)が高脂肪食による肥満と睡眠の質低下に有効であることを確認しました。この結果は、現代の食生活で多くの人が抱える健康問題に対する新たな解決策の提案となります。
研究の背景
近年、食事の欧米化が進み、ジャンクフードや高脂肪な食事が普及しています。厚生労働省の調査によると、20歳以上の約3人に1人が脂質過多の状態にあります。肥満は健康に悪影響を及ぼすため、注意が必要です。また、肥満と睡眠は密接な関係があるとされ、日本国内でも睡眠の質が不十分だと感じる人は増えています。
現代社会では、十分な質の睡眠を得られないことが多く、睡眠の断片化が肥満の原因とも指摘されています。これを改善するためには、睡眠の質を向上させることが重要です。ローヤルゼリーは、2型糖尿病患者の体重を減少させた事例があるため、肥満と睡眠の質の向上にも寄与できると期待されています。
研究の方法と結果
この研究では、健康なマウスを通常食群、通常食+RJ、高脂肪食群、高脂肪食+RJの4グループに分けて、20週間にわたって給餌しました。体重や体脂肪の変化、睡眠の質(ノンレム睡眠、レム睡眠、覚醒の持続時間や回数)を評価しました。
1. 高脂肪食の効果
高脂肪食を摂取したマウスは体重が増加し、肥満状態に陥りました。ところが、高脂肪食+RJを摂取したグループでは、体重や脂肪の増加が抑制されたのです。驚くことに、RJを摂取したマウスでは、褐色脂肪組織で熱を生産するための遺伝子の発現が高まり、これが肥満を抑える要因と考えられています。
2. 睡眠の質の改善
高脂肪食群のマウスは、ノンレム睡眠の持続時間が短く、覚醒の回数も多いといった睡眠の断片化が進行しました。しかし、高脂肪食+RJを摂取したグループでは、そのような断片化が抑制され、睡眠の質が向上しました。
今後の展望
この研究を通じて、ローヤルゼリーは高脂肪食による肥満と睡眠質の低下に対し、効果的な改善策となることが示されました。今後は、ローヤルゼリーやその他ミツバチ産品の有用性研究を進め、皆さんの健康に寄与できる商品を提供していく所存です。私たちは、アピセラピー(蜂の治療効果)の観点からも、健康寿命の延伸に向けて努力し続けます。
論文情報
この研究は、『Royal jelly reduced non-rapid eye movement sleep fragmentation and restored sleep stability in diet-induced obese mice』というタイトルで発表され、2025年4月には『Experimental Animals』に掲載予定です。詳細な研究結果を通じて、私たちの健康に対するアプローチがさらに広がることが期待されます。