ORLIBが開発した新しいプレドープ装置
ORLIB株式会社(東京・文京区)はこのたび、電解プレドープを効率よく短時間で行える新しいプレドープ装置を開発しました。日本国内での次世代二次電池の研究と開発が進む中、同社の技術革新が注目されています。
これまでの課題と新技術の背景
長時間飛行可能なドローン用の電池や、環境問題を考慮した高エネルギー、低コストの電池の実現にはシリコンのプレドープ技術が重要です。しかし、従来のプレドーププロセスは量産化に向けての適用が難しく、長時間の処理が必要でした。これに対し、ORLIBは特許を取得した新たな装置を開発し、温度、圧力、電圧を精密に制御できる連続式のプレドーププロセスを確立しました。
プレドープ装置の特長
この新装置は巻き出し・巻取りロールを有し、電極の移動、加圧、電圧印加などの一連の作業を連続的に行うことが可能です。試作機のヘッド長さは25cmで、プレドープ処理時間を1分に設定すると、25cm/分の速度で電極が製造可能です。この速度は、他の方法と比べるとまだ発展途上ではありますが、将来的にはヘッドの大型化や並列化が進むことで、さらなる量産化も期待されます。
エネルギー密度の向上と環境への配慮
シリコンを安定化させることで放出される不可逆容量を解消し、さまざまな正極と組み合わせて高エネルギー電池が実現できます。特に、コバルトなどの希少金属を使用しないLFP正極電池との組み合わせによるエネルギー密度の向上が評価されています。これにより、資源問題への意識が高まる中、持続可能なエネルギー solutionsが提供できると期待されています。
見込まれる社会的影響
さらに、この技術はドローン用電池に利用されることで、飛行時間の1.5倍延長が可能となります。これにより、インフラ点検用ドローンの電池交換頻度を減らし、作業効率を向上させることができます。最終的には、安全で効率的な社会の実現に寄与することが期待されています。
展示会出展の予定
ORLIBは2025年2月11日から13日にかけてドイツ・NRW州のメッセ・エッセンで開催される“E-world Energy and Water”展示会に出展予定です。東京都による成長分野の支援を受け、欧州市場における技術・製品のアピールを行い、将来のパートナーシップを築くことを目指します。
会社概要
ORLIB株式会社は2020年5月に設立され、東京都文京区に本社を置く企業です。主に高エネルギー二次電池の開発、製品化を手掛けており、持続可能な社会の構築に向けた取り組みを進めています。今後の展望として、高エネルギー電池技術をもとに、さらなる環境負担の軽減を目指しています。
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