COP30とその背景
2025年11月、ブラジルのベレンにて開催された気候変動対策を議論する国際会議COP30では、約200の国や地域が集まり、地球温暖化対策の国際ルールを話し合いました。この会議に合わせて、パルシステム連合会が主催したイベントがオンラインで行われ、参加者は気候変動問題に対する理解を深めることができました。
イベントの概要
イベントには、環境NGOであるFoE Japanの長田大輝さんと、気候変動対策団体のCRPジャパンの豊吉里菜さんが登壇し、COP30の成果や脱炭素社会実現に向けた具体的なアクションについて語りました。彼らは、化石燃料からの脱却が求められる中、依然として様々な課題が残ることを指摘しました。
脱炭素社会の実現に向けて
COP30では、途上国の災害対策支援金を2035年までに3倍に増加させることと、温室効果ガス排出削減を加速させることが合意されたものの、化石燃料からの脱却については合意に至らなかったことが大きな課題として浮き彫りとなりました。長田さんは、「温暖化は2000年以降に前例のないほど進行しており、その影響が最も大きいのは貧困層である」と警鐘を鳴らしました。
市民社会の役割
豊吉さんは、COPの交渉プロセスでの市民社会の重要性について述べました。交渉団を通じて「石炭・石油・ガスからの卒業」や「温室効果ガス削減の高い目標設定」などの要求を行い、現地での啓発活動に取り組んでいます。暖化の問題に直面した人々の声を集め、市民の力が気候変動対策にどれほど重要であるかを示しました。
先住民の声
COP30には、多くの先住民コミュニティが参加しました。彼らは、自らの暮らしを守るために声を上げ、運営側との摩擦を経験しながらも、気候正義を求め続けました。豊吉さんはその姿勢に感銘を受け、国境を超えた連帯を強く感じたと述べています。
日本に求められる責任
長田さんは、日本に対して「野心的な削減目標の設定」や「再生可能エネルギーへの資金支援」の必要性を訴え、現地での抗議活動の重要性を強調しました。日本の経済構造や資金支援が、国際的な気候変動対策に対しどのように影響を与えているのか、その歴史的責任を深く考えさせられました。
終わりに
パルシステムは、環境保全活動をさらに推進するために2025年4月には「パルシステムネイチャーポジティブ宣言」を発表し、様々な環境問題に取り組んでいます。「Thanks Earth!」というキャッチフレーズのもと、清掃活動や食品ロス削減の施策を展開するなど、身近なところから実現可能なアクションを推進していく姿勢が求められています。私たちがこの変革の一翼を担うためにも、今こそ声を上げ続けることが、未来を切り拓く鍵になるのです。