自動車のヘッドライト安全基準が改正へ!オートレベリング装備が拡大

自動車のヘッドライトオートレベリング装備拡大の背景



令和6年9月20日、国土交通省は自動車のヘッドライトに関連する重要な改正を発表しました。目的は、自動車が乗車定員や荷物によって傾く際に、ヘッドライトの光の向きを自動的に調整する「オートレベリング装置」の装備を広げることです。これにより、特に高齢者ドライバーに対する眩しさのリスクを軽減し、交通事故を未然に防ぐ狙いがあります。

事故の背景



過去10年間において、ヘッドライトの眩しさが原因で300件以上の事故が発生しています。特に、後部座席に人が乗車したり、トランクに荷物が積載された状態では、車両の後部が下がり、ヘッドライトが上向きになることが多く、対向車のドライバーに対して眩暈を引き起こすといった問題が指摘されています。このような背景から、国際的にオートレベリング装置の装備拡大が求められ、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)でも基準改正が合意されました。

改正の概要



改正内容としては、これまでオートレベリング装置の装備が求められていたのは光源の明るさが2,000lmを超える高輝度のすれ違い用前照灯を装備する自動車に限られていました。しかし、今回の改正により、光源の輝度に関係なく、一部を除いた全ての自動車においてオートレベリング装置の搭載が求められることとなります。

対象となる自動車には、二輪車や大型特殊自動車などが含まれず、普通自動車や貨物車等が含まれます。

オートレベリングの作動イメージ



1. 背負っている重さの影響: 乗員や荷物の重さにより、車両後部が下がります。
2. 傾きを検知: 車両に搭載されたセンサーが傾きを感知します。
3. 光軸の補正: ヘッドライトの光軸が自動で適切な角度に調整されます。

適用日



改正の内容は、乗車定員10人以下の乗用車について、新型車は令和9年(2027年)9月1日から、継続生産車は令和12年(2030年)9月1日から適用されます。また、車両総重量3.5tを超える貨物車及び乗車定員11人以上の乗用車は新型車が令和10年(2028年)9月1日から、継続生産車は令和13年(2031年)9月1日から対象となります。

公布・施行



この改正は令和6年(2024年)9月20日に公布され、施行日は令和6年(2024年)9月22日となります。

最後に



自動車の安全性能向上は、社会全体の交通安全を守る重要な一歩です。オートレベリング装置の装備拡大により、さらに多くのドライバーが安全に道路を利用できることが期待されています。今後も国土交通省の取り組みを注視していきたいと思います。

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