ASEANでの商業銀行の動向調査
令和7年4月24日、金融庁は「ASEANで活動する商業銀行の動向に関する委託調査」報告書を発表しました。この調査の目的は、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンにおける商業銀行の業容とビジネス戦略を把握し、金融面での日 ASEAN協力を進めることです。
この委託調査は、株式会社三菱総合研究所に依頼されました。調査内容には、対象国の地場銀行と、シンガポールや欧米のグローバル金融機関を併せて、合わせて20機関に対するアンケート調査が含まれています。そして、ASEAN地域で活動している日本の銀行に対するインタビューも行われました。これにより、現地の商業銀行がどのようなビジネス戦略を展開しているのか、また国際金融市場との連携状況が明らかになります。
調査の背景と目的
ASEAN地域は経済成長が著しく、多くの国が金融市場の活性化を図っています。日本企業にとっても、この地域は重要なビジネスチャンスを提供しています。金融庁は、こうした背景を踏まえ、ASEAN地域での日本の商業銀行の動向を把握し、効果的な政策を打ち出すために調査を実施しました。
調査方法と結果
調査は、アンケート、文献調査、インタビューという多角的なアプローチで行われ、新たに得た情報は、銀行のビジネスモデルや顧客ニーズの変化を捉えたものです。
各国の商業銀行が採用する戦略としては、デジタルトランスフォーメーションの加速や、環境・社会・ガバナンス(ESG)への配慮が重要な要素として挙げられました。特に、フィリピンの銀行はデジタルバンキングの普及が進んでおり、顧客の利便性を高めています。また、インドネシアの一部の銀行は、マイクロファイナンスの割合を増やすことで地域の経済支援に力を入れています。
一方で、日本の商業銀行がASEAN地域で競争力を維持し、さらに発展させるためには、現地のニーズに合わせたサービスの提供が欠かせないと締めくくっています。
今後の展望
この報告書の成果は、日本の商業銀行がASEAN地域でのビジネス展開を計画する際の重要な資料となります。金融庁としては、この情報をもとに日 ASEANのさらなる金融分野での協力を促進したい意向を示しています。
報告書の詳細については、金融庁の公式ウェブサイトにてPDF形式で公開されています。金融業界の関係者や、ASEAN地域に進出を考えている企業の皆さまは、ぜひご覧いただき、今後のビジネス戦略の参考にしてみてはいかがでしょうか?
お問い合わせは、金融庁へ直接ご連絡ください。