日本食文化を視覚的に伝える「WASHOKUZU」
日本の食文化に興味があるが、その背景にある文化を深く知ることが難しいと感じる外国人旅行客への新たなサービスが、2024年12月より東京・浅草の老舗居酒屋『大島屋』で始まります。その名も「WASHOKUZU(ワショクズ)」です。このサービスは、株式会社Metagramが手掛け、日本食を視覚的に図解することで、言葉の壁を超えて日本文化への理解を深めてもらうことを目的としています。
1. インバウンド需要の高まり
近年、日本を訪れる外国人旅行客は急増しています。日本政府観光局のデータによると、2024年11月の訪日外国人旅行者数は318万人に達し、これは2019年同月比で30.5%の増加にあたります。このようなインバウンド需要の高まりに応じて、観光業界が発展していますが、一方で多くの外国人旅行客が日本食の奥深い文化について十分に理解していないという事実もあります。
例えば、老舗居酒屋『大島屋』の4代目店主である日沖大地さんは、「外国のお客様が増えることは嬉しいが、日本食の背後にある文化や流通のプロセスが認識されていないのが悩み」と話します。料理を食べるという行為は味わうことだけでなく、その背景を理解することでより豊かな体験へと変化すると彼は考えています。
2. 「WASHOKUZU」の具体的な取り組み
「WASHOKUZU」のサービスは、単に日本食を提供するだけではありません。食事をしながら日本の文化を視覚的に楽しむための図解パネルを店舗に設置することで、理解を促進します。具体的には、オーナーからのインタビューを基に、要点を図解化し、それを店舗内に掲示します。この取り組みを通じて、外国人旅行客は日本の食材の選び方や漁業のプロセスを直接目にすることができ、食事がより深い体験に変わるのです。
2024年12月からは『大島屋』でこのサービスが試験的に導入され、初めの成果が期待されています。
3. 成果と反響
実際に『大島屋』では、設置された図解パネルを見ながら食事を楽しむ外国人旅行客が多く、12月の1か月間で50名以上が訪問しました。店主の日沖さんは、「パネルを通して日本の食文化を学んだ旅行者が、そのことを口にしてくれたのがとても嬉しい」と語ります。特に、図解を通じて日本の魚市場のプロセスや食材の選び方を知った旅行者からは、「その背景を知ったら味がさらに深く感じる」との声を聞くことができました。
また、実際に図解を見たスペイン人旅行客はこうコメントしています。「日本食は見た目が美しいだけだと思っていましたが、その背後にあるストーリーを知ることで、もっと感動できました」と述べ、料理を食べることへの期待感を高めていました。
4. 今後の展望と全国展開
Metagramは、「WASHOKUZU」をさらに広げていく計画をしています。特に、観光需要が高い地域の飲食店や観光協会との連携を強化し、図解を用いた日本文化の魅力を多くの外国人に届ける試みを進めています。さらには、日本食にとどまらず、日本文化全体に関する情報の図解提供へとサービスを拡充することを目指しています。
「食事をただの消費行動ではなく、文化体験へと変える試みとして、図解の力を信じています」と語るMetagramの代表、髙野雄一さんは、この新しいアプローチが国境を越えた交流の架け橋になることを願っています。
会社概要
- - 会社名:株式会社Metagram
- - 代表者:髙野雄一
- - 所在地:東京都渋谷区渋谷2-19-15 宮益坂ビルディング609
- - 設立日:2024年9月2日
- - URL:https://metagram.biz
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