地震保険と防災意識
2023-09-01 13:00:33

関東大震災から100年 地震保険への意識調査で浮かび上がった課題と備えの現状

関東大震災から100年 地震保険に関する意識調査から見える課題と備え



2023年9月1日、関東大震災から100年が経過しました。この節目を機に、一般社団法人日本損害保険協会は、地震保険に関する意識調査を実施しました。2,534名を対象とした調査結果から、地震への備えに関する課題が浮き彫りになっています。

東京都の低い地震保険加入率



調査によると、地震保険の加入率は全国平均が69.4%である一方、東京都は61.9%と全国ワースト3という結果に。特に高い地震リスクを抱える東京都において、この低い加入率は大きな懸念材料です。都心南部直下地震の発生が予測されており、その被害規模は甚大となる可能性があります。

地震保険への不安と認識不足



地震保険に加入している人の約7割が、「被災後、保険金がすぐに支払われるのか」という不安を抱えていることが判明しました。また、保険金の使用用途が自由に決められることを知らない人が多く、約6割の人がその事実を認識していませんでした。非加入者では、その割合は7割を超えています。

被災時の経済的な備え



地震保険に加入していない人のうち、約半数が被災時の対応について「特に考えていない」と回答。関東エリアでは、「預貯金で賄う」という回答が多いものの、十分な備えをしているとは言い切れません。地震保険に加入していない理由として、「補償内容をよく理解していない」という回答が、全国平均よりも東京都で高い割合を占めていました。

保険金の支払い事例と迅速な対応



過去の震災では、損害保険業界の迅速な対応により、多額の保険金が被災者に支払われています。東日本大震災では、約1兆円の保険金が3ヶ月以内に支払われ、その対応は高く評価されています。地震保険は国と損害保険会社が共同で運営しており、総支払限度額は12兆円と、関東大震災規模の地震にも対応可能な体制が整えられています。

保険金の使い道と加入者の声



地震保険金は、建物の修繕だけでなく、生活再建費用や引っ越し費用など自由に使うことができます。過去に地震保険金を受け取った人の多くが、「加入していてよかった」と回答しており、その有用性が示されています。

専門家からの提言



専修大学ネットワーク情報学部教授の佐藤慶一氏は、都市防災の専門家として、地震保険の重要性を強調。都庁への政策提案や、災害対応と近現代史に関する研究など、多角的な視点から防災対策の必要性を訴えています。

まとめ



今回の調査結果から、地震保険への加入率の低さ、保険金支払いに関する不安、保険金の使い道に関する認識不足などが、地震への備えにおける大きな課題として浮き彫りになりました。地震はいつ起こるか分かりません。地震保険への加入、そして正しい知識を持つことが、災害への備えとして非常に重要です。各自が自身の住む地域のリスクを理解し、適切な対策を取る必要があります。

会社情報

会社名
一般社団法人 日本損害保険協会
住所
東京都千代田区神田淡路町2-9
電話番号
03-3255-1844

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