SBOMを活用した脆弱性管理の新知見を公開、業界全体に影響

セキュリティ透明性向上に向けた新しい動き



2024年2月、セキュリティ・トランスペアレンシー・コンソーシアムが発表した「セキュリティ透明性確保に向けた可視化データ活用~脆弱性管理編~」は、脆弱性管理におけるSBOM(ソフトウェア部品表)の活用を具体的に示す重要なステップです。この取り組みは、日本電信電話株式会社(NTT)と日本電気株式会社(NEC)が主導し、14の多様な事業者が協力して取り組まれています。

SBOMとは何か?


SBOMは、ソフトウェア製品に含まれるコンポーネントの詳細を示したリストです。この可視化データにより、企業は自社のシステムに存在する可能性のある脆弱性を把握し、リスクを軽減する手段を得ます。特に、近年のサプライチェーンの複雑化に伴い、SBOMの重要性が増しています。

脆弱性管理における課題


SBOMを活用する上で、事業者は複数の課題に直面します。主なものは以下の通りです。
1. フォーマットのバラつき: SBOMの生成に関して、異なるツールやフォーマットが存在し、情報の一貫性が欠けることが多いです。
2. 技術的な使用方法: 利用可能なツールや技術が多数存在していますが、脆弱性管理に特化したものは十分ではありません。
3. 教育とコスト: 適切な運用のためには人材の育成が必須であり、そのコストは、特に中小企業にとって大きな負担となります。
4. サプライチェーンの複雑さ: 脆弱性が発生した場合、他の組織との協力が必要で、相互合意が求められます。

提供された知見とその意義


本報告書は、上述の課題に対して具体的な対策を提示しています。例えば、可視化データの品質評価や、適切なツールの選定方法などが含まれています。これにより、業界全体が脆弱性管理に向けた理解を深め、透明性が高まることが期待されます。

これからの展望


セキュリティ・トランスペアレンシー・コンソーシアムは引き続き、多様な業界と協力し、可視化データの使用促進を図る予定です。また、2025年以降には新たな活動成果も順次発表される見込みです。この努力により、セキュリティの透明性が向上し、サプライチェーン全体でのリスク低減が期待されています。

このように、SBOMを活用した脆弱性管理に関する知見が広がることで、様々な業界の企業が共同でセキュリティリスクに対処し、新たなビジネスチャンスが生まれることが期待されます。

会社情報

会社名
アラクサラネットワークス株式会社
住所
神奈川県川崎市幸区鹿島田一丁目1番2号新川崎ツインタワー西棟
電話番号

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