生成AIの波が世界を席巻する中、日本企業の活用はまだ一部にとどまっています。そんな中、ソフトウェアの品質保証を手がける株式会社SHIFTが、独自の成功体験を基にした生成AIの社内活用・定着支援サービス「生成AI 360°」の提供を開始しました。これは、日本企業のAI導入における課題を解決し、生産性向上と競争力強化を後押しする画期的な取り組みです。
日本企業の生成AI活用を阻む壁
総務省の「令和6年度版情報通信白書」によれば、生成AIの活用方針を全社的に定めている企業の割合は、米国で46.3%、中国で71.2%と高いのに対し、日本はわずか15.7%に過ぎません。この遅れの背景には、AIリテラシーを持つ人材の不足、トップダウン型のアプローチだけでは現場に浸透しにくいといった複数の要因があります。具体的な活用イメージが描けず、導入後の定着に苦戦する企業が少なくないのが現状です。メリットやリスクの共有不足、AI戦略を牽引する体制やノウハウの欠如も、組織内のギャップを生み出す一因となっています。
SHIFTが示す成功の軌跡:自社でのAI活用実績
こうした課題に対し、SHIFTは自社での徹底したAI活用を通じて、その解決策を見出しました。同社は2023年よりAI活用に取り組み、2024年には全社的なAI徹底活用を経営戦略の柱に据えました。特徴的なのは、経営層主導のトップダウンと、現場のニーズを汲み取るボトムアップ、この両輪を回すアプローチです。
具体的には、従業員のAIリテラシー向上を目指した施策を展開する一方で、各部署のPoC(概念実証)支援、生成AIツールの内製開発、そして定期的な勉強会開催など、現場目線の推進も並行して実施しました。その結果、2024年9月時点で23%だった独自生成AIツールの社内活用率は、わずか半年後の2025年3月には76%へと驚異的な成長を遂げ、実に3倍以上の利用率向上を実現。さらに、合計825もの業務プロセスをAI化し、月間1,500万円というコスト削減効果を見込むまでに至りました。この実績こそが、「生成AI 360°」の強固な基盤となっています。
「生成AI 360°」:全方位型で組織浸透を強力推進
「生成AI 360°」は、SHIFTが自社で実践し、絶大な効果を発揮した生成AI活用ノウハウを体系化したものです。単なるツール導入に留まらず、企業の生成AI導入から組織への定着までを、トップダウンとボトムアップを融合させた全方位型アプローチで強力に支援します。企業の業種、規模、予算に応じて柔軟なカスタマイズが可能で、多岐にわたるニーズに対応します。
サービスは、生成AIの導入から組織定着までの過程を以下の5つのプロセスに分類し、それぞれに最適な施策を提供します。
1.
機会創出:使いやすく、セキュアな環境をユーザーに提供
「天才くん」というノープロンプト生成AIツールの導入・活用支援を通じて、経験やスキルに関わらず誰もが簡単にAIを利用できる環境を構築します。プロンプト作成支援や研修会開催なども含まれます。
2.
観察:利用ログ分析で洞察を得る
導入したAIツールの利用傾向を詳細に分析し、AI適用業務の潜在的ニーズや社内ユーザー層を可視化します。これにより、KPI設定やガイドライン整備など、データに基づいたトップダウン推進を支援します。
3.
施策最適化:ユーザー層に応じた個別施策を展開
未利用者や初心者向けには「伴走型勉強会」でプロンプトの基礎から実践までをワークショップ形式でレクチャー。無関心層には「部署別人気ツールランキング」を定期的に発信し、身近な活用事例で関心を喚起します。
4.
個別成果創出:業務現場に深く入り込み成果を生む
人事部門では応募書類の要約・分析による採用確度算出やスカウトメール文案作成の効率化、営業部門では日次サマリレポート作成や提案書分析による提案品質向上など、各部門固有の課題をAI化し、具体的な時間短縮・コスト削減効果を生み出します。
5.
組織知化:部門間の成果共有で全社知見へ昇華
社内オンラインコミュニティの立ち上げ・運営や、生成AIを活用したビジネスアイデアを競う社内コンテスト開催などを通じ、部門間のナレッジ共有を促進。AI活用を企業文化として定着させる仕組みづくりを行います。
日本のDXを加速させるSHIFTの貢献
株式会社SHIFTは、これまで培ってきたソフトウェアの品質保証・テストサービスで培ったノウハウに加え、AIソリューションの開発・提供にも力を入れています。今回の「生成AI 360°」は、その集大成とも言えるサービスであり、日本企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる上で、重要な役割を果たすでしょう。生成AIがもたらす無限の可能性を最大限に引き出し、企業の競争力と生産性を飛躍的に向上させる未来に貢献してまいります。SHIFTは「無駄をなくしたスマートな社会の実現」をビジョンに掲げ、ITに関するあらゆるビジネス課題の解決を支援しています。