株式会社コーチ・エィが開発したAIコーチングサービス「CoachAmit」が、欧州を代表する産業・組織心理学の学術大会「EAWOP 2025」で、ヨーロッパの研究チームによる調査対象として注目を集めました。チェコのプラハで開催されたこの国際的な舞台で、日本の先進的なAI技術とコーチングの融合が、その有用性と将来の可能性において高く評価されたことは、日本の企業がグローバルなイノベーションを牽引する存在であることを示すものです。
AIコーチングの可能性を解き明かす研究発表
今回の学術発表は、イスラエルのDr. Gil Bozer氏ら欧州の研究チームによって、「AIコーチングの視点を探る:アジアのコーチング企業とその人間のコーチからの洞察」と題して行われました。研究では、コーチ・エィの「CoachAmit」を事例に、その開発経緯や人間によるコーチングとの違いに触れながら、潜在的価値と将来性について考察しています。
主要な考察として、AIコーチは人間によるコーチングを代替するのではなく、むしろ補完・強化する役割を果たすと指摘されました。AIが基礎的ニーズに対応することで、人間コーチはより複雑で高度な課題に集中できるようになり、コーチング全体の質が高まります。
さらに、AIコーチングの導入は、これまで機会が限られていた人々にもサービスを広げる可能性を秘めています。これにより、多様な層への普及が進み、人材育成や組織開発の裾野が広がるでしょう。最終的には、AIコーチングの普及がコーチング全体の価値を高め、人間によるコーチングへの新たな関心と需要を喚起するという、ポジティブな循環が生まれる可能性も示唆されています。
産業・組織心理学の権威「EAWOP」とは
EAWOPは、“European Association of Work and Organizational Psychology”の略称で、ヨーロッパにおける産業・組織心理学分野で最も権威ある学会の一つです。1980年に設立され、人、仕事、組織に関する学術研究の推進と成果の普及・実践への応用を通じて、良質な労働環境の実現やマネジメント・組織の改善に貢献しています。
「CoachAmit」が拓く組織変革の未来
コーチ・エィが提供するAIコーチングシステム「CoachAmit」は、最新のGPT技術と独自の高度な機械学習モデルを基盤に、同社が約30年にわたり蓄積してきた組織変革やコーチングに関する知見を融合させて誕生しました。このツールは、ユーザーとの双方向の対話を通じて、組織で働く一人ひとりの内省を深め、具体的な行動変容を促します。
「CoachAmit」の主な特徴は、企業全体で高品質なコーチングを大規模に提供できること、そして各企業の固有の組織課題に合わせてカスタマイズ可能な点です。さらに、匿名化されたコーチングデータから得られるリアルタイムな組織の状態や社員の意見をレポートとして可視化する機能は、経営陣の的確な意思決定を強力に支援します。
人間によるコーチングと全役職員に対する「CoachAmit」を組み合わせることで、組織全体の変化の過程を長期間追跡し、企業が目指すべき理想の姿へと変革を促進することが可能となります。
コーチング業界のパイオニア、コーチ・エィの挑戦
「組織変革を実現するエグゼクティブ・コーチング・ファーム」である株式会社コーチ・エィは、独自の「システミック・コーチング™」アプローチを通じて、組織全体の変革を支援する対話型組織開発を推進しています。
1997年の創業以来、約30年もの長きにわたり、日本におけるコーチングの普及と拡大を牽引。クライアントの約8割が東証プライム市場上場の大企業です。コーチ人材の育成にも力を注ぎ、これまでに1万人以上のプロフェッショナルコーチを輩出してきました。
2008年には「コーチング研究所」を設立し、世界に先駆けてエビデンスに基づいたコーチングサービスを提供。豊富なコーチング実績データをもとに、学術研究や成果の可視化にも積極的に取り組んでいます。東京に加え、ニューヨーク、上海、香港、バンコクに海外拠点を構え、グローバルに事業を展開。2019年には世界的なコーチ養成機関であるCoach Uを子会社化するなど、グローバルネットワークの拡大を図り、コーチング業界の未来を切り開き続けています。