シニア世代の働き方
2016-09-16 13:29:04

定年後も活躍するシニア世代、働き方の実態と意識調査

定年後も活躍するシニア世代



近年、シニア世代の就業状況に目を向ける機会が増えています。65歳以上の高齢者の労働力が増加している中、定年後にどのように働きたいと考えているのか。アクティブシニアのための転職情報サイト「シニア活用.com」の調査結果を基に、その実態に迫ります。

シニアの就業率はどう変化しているのか?



2015年のデータによると、65歳以上の高齢者就業率は21.7%であり、60歳から64歳の男性に限るとその数字は75.5%にまで達します。しかし、65歳を超えると就業率は50%を下回ってしまうのです。この背景には、公的年金の受給年齢が現実的に65歳に引き上げられたことが大きいと考えられます。つまり、60代前半の人々は、年金だけでは生活を支えきれないという意識から、働き続ける必要性を感じているのです。

定年後の働き方:シニアの声



「定年後にどのように働きたいか」という問いには、週5日フルタイムでの勤務を望む人はわずか3割にとどまりました。多くのシニアは短時間勤務や週の勤務日数を減らすことを選択しているのです。具体的には、週5日勤務でも6時間以内や、数回の出勤を希望する声が多数寄せられました。

このことは、「働く目的は何ですか?」という質問にも表れています。1位は「自分の経験や能力を活かしたいから」で62%、2位は「社会とのつながりを維持したいから」で58%と、やりがいや社会貢献が意義であるとする意見が非常に多く、収入だけでは満足できないシニアが多いことがうかがえます。

就職活動の実態



調査では、シニア世代がどのように就職活動を行っているかも注目されました。78%が「インターネットで情報収集」を行っており、54%は「求人情報サイトに登録」、44%は「人材紹介会社に登録」という形でオンラインを積極的に活用しています。ハローワークの利用率は20%に留まっています。

しかし、その一方で現実には年齢制限に直面しているとの声も挙がっています。「年齢制限が多い」「年齢で選考に届かない」といった不満が多く、働きたい意欲にもかかわらず、機会を得られないシニアが多いことが明らかになりました。

企業の対応とシニア活用の重要性



ジーニアス株式会社の代表・三上俊輔氏は、シニア世代に積極的に働く場を提供することが今後の社会での課題であると述べています。2015年からは65歳までの雇用が義務化されましたが、ほとんどの企業が60歳を定年と定めている現状は変わりません。65歳以降も働き続けるニーズがある一方で、その受け皿が整っていないのが現実です。企業はこのニーズを受け入れ、シニアの経験や知識を活用することで、より良い労働環境をつくるべきです。

専門職としての活躍



シニア世代は専門職においても活躍の場を見いだすことができるケースも多々あります。その一例として、監理設計の経験を持つ72歳の山口力さんが挙げられます。彼は月に10日程度の勤務で、大手通信会社において自らのスキルを活かし、満足度の高い仕事をしています。このように、自分の能力を活かせる場所があることが、シニアの生きがいに繋がっているのです。

シニア世代への期待



今回の調査結果は、あくまで「働く」ことに意欲を持つシニア層の意見であるため、見解に偏りはあるかもしれません。しかし、シニアが活躍できる場が限られている現状を打破するためには、年齢に関わらずシニア世代の能力を高く評価し、働きやすい環境を整える必要があります。企業側も受け入れ体制の充実が求められており、シニアの力を社会で必要とする時代が待たれています。

会社情報

会社名
ジーニアス株式会社
住所
東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル
電話番号
03-3221-3348

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