モバイルアプリの計測・分析を手がけるAdjustが発表した「ファイナンスアプリレポート」によると、2024年に向けてファイナンスアプリの成長が著しいことが明らかになりました。特に、2024年第1四半期にはアプリ内収益が前年同期比119%増加し、テクノロジーの進化やユーザーの支出意欲が高まっていることが影響しています。このような成長が続く中、特にヨーロッパやLATAMといった地域でユーザーエンゲージメントの増加が見られ、堅実な収益化戦略が功を奏している様子です。
さらに、2023年には世界の仮想通貨アプリのインストール数が196%増加しており、仮想通貨への関心も再び高まっています。このレポートでは、Adjustが計測する上位3,000のアプリ情報に基づいたインサイトが多く紹介されており、ファイナンス分野でのマーケティング戦略に役立つ参考情報が満載です。
レポートの内容において特に注目すべきは、2024年第1四半期のインストール数が前年比36%増加し、セッション数も23%増えた点です。モバイル決済やバンキングアプリの急増が「デジタルファースト」の金融サービスへの移行を象徴しています。例えば、バンキングアプリのインストール数は前年同期比で111%の増加を記録しました。また、決済アプリのセッション数も27%増え、日常的なトランザクションにおけるアプリの重要性が強調されています。
このような成長は、ファイナンスアプリのeCPI(有効インストール単価)の中央値が1.21ドルに達する一方で、APAC地域では0.63ドルと相対的に低価格であることからも伺えます。また、App Tracking Transparency(ATT)のオプトイン率も2023年第1四半期の18%から、2024年第1四半期には25%へと増加しています。これはユーザーのプライバシーに配慮した取り組みが進んでいることを示しています。
Adjustのコンテンツ・インサイト部門ディレクター、ティアン・ウェッツラー氏によると、最近の経済の不安定さにもかかわらず、ファイナンスアプリ市場の今後は明るいとのこと。アプリ内収益やインストール数の増加が顕著で、今後はパーソナライズされた安全な体験を提供することが重要になると警鐘を鳴らしています。これにより、ユーザー維持や顧客生涯価値(LTV)の最大化も図れるでしょう。今後は、インクリメンタリティやマーケティングミックスモデリング(MMM)といった新たな測定手法が成長を後押しすると予想されています。
一方、日本市場に目を向けると、急成長が見られないものの、APAC地域では韓国が仮想通貨アプリでの滞在時間において世界平均を大幅に上回っています。このように2024年に向けての成長が期待される環境の中で、AIや機械学習などの最新技術の活用がマーケターや代理店の成功に繋がると佐々直紀日本ゼネラルマネージャーは強調します。
詳細なレポートについては、Adjustのウェブサイトからダウンロードが可能です。最新のトレンドを把握し、今後の戦略に活かすために、ぜひ活用してみてください。