2025年の消費動向:物価上昇と共に旅行と貯金が注目の的に
博報堂生活総合研究所が発表した「2025年 生活気分」に関する最新調査の結果が注目されています。この調査は2024年10月1日から4日にかけて、全国の20歳から69歳までの男女3,900人を対象に行われました。今後の生活や経済の見通しがどのように変化しているのか、詳しく見ていきましょう。
景気予想の現状
調査によると、2025年の景気予想は「良くなる」がわずか10.8%で、過去6年間の中で最低の値を記録しました。この数値は、前年の調査であった14.7%から3.9ポイントの減少を示しています。一方で、「悪くなる」と考えている人は37.7%に達し、前年よりもわずかに増加しました。これらの結果は、物価上昇や景気の低迷などの要因が影響を及ぼしていることを示唆しています。
実際、調査において「来年の景気が悪化する」と回答した理由の上位には「物価上昇の継続・加速」が40.6%、「景気低迷の継続」が18.2%、「新政権・新政策」が13.1%挙げられています。これに対して「良くなる」との期待を寄せる人たちの意見は、「希望的観測」(26.5%)や「新政権・新政策」(15.4%)などでした。
お金の使い方の変化
金銭面に目を向けると、「来年お金をかけたいもの」として1位には「旅行」が選ばれ、2位には「貯金」が位置しています。特に旅行に対する意欲は25.5%に達しました。貯金も19.3%に増加しており、旅行と貯金の両方にお金を使いたいという意図が強まっていることが分かります。
興味深い点は、貯金は前年に比べて6.5ポイント伸びており、旅行も前年の数値より1.7ポイント上回っています。しかし、日々の食事や外食に関する金額は大幅に減少しています。具体的には、「ふだんの食事」は今年の30.4%から来年19.2%へと11.2ポイントの減少を見せ、「外食」も26.6%から18.2%に下がったのです。これらの動向は、消費を抑えつつも旅行への投資を考えている生活者の姿を映し出しています。
2025年に始めたいこととやめたいこと
来年始めたいこととしては「運動・体操・筋トレ」が29.7%を占め、次いで「投資・資産運用」が24.1%、「貯蓄」が23.1%となりました。一方、やめたいことには「無理しての人付き合い」(30.8%)や「無駄遣い・衝動買い」(28.8%)、さらには「食べ過ぎ・飲み過ぎ」(26.3%)が上位に来ています。
この調査からは、生活者の間で体力向上や将来の資産を意識しつつ、無駄を省こうとする強い意識が窺えます。特に、性別による意識の差が顕著で、男性は「喫煙」をやめたいという意見が多く、女性は「無理しての人付き合い」をやめたいと考えていることが分かります。
結論
博報堂生活総合研究所によるこの調査は、現代の生活者が抱える不安や期待を反映したものであり、今後の経済状況や消費動向を見極める際の重要な資料となります。物価上昇を背景にした堅実な生活者の動きが、消費の未来をどのように変えていくのか、今後の経過も要注目です。