東北工芸と台湾の交流
2022-11-08 09:00:01

東北工芸と台湾の交流が生み出す新たな可能性

東北工芸と台湾の交流が生み出す新たな可能性



近年、伝統工芸に注目が集まっている中、東北地方の職人とデザイナーが台湾との交流を進めています。この取り組みは、台北芸術大学との協力によって実現したもので、両国の文化の融合から新たな可能性を模索しています。

この交流事業は、東北・仙台の魅力を台湾の学生に伝えることを目的にスタートしました。2022年1月、仙台の専門家である齋藤氏が台北芸術大学の学生に向けて、東北の伝統工芸についての講演を行ったのがきっかけです。その後、オンラインで少人数のワークショップも実施され、台湾の学生たちと施工される工芸品の海外販売について議論しました。

これを受け、地域の工芸文化をより深く理解するために、今年の台湾訪問が決定しました。具体的には、南部鉄器の職人である田山貴紘氏と、吉勝制作所の代表でデザイナーの吉田勝信氏が、台北芸術大学でレクチャーを行います。この二人の専門家と、奥心舎のディレクターである齋藤高晴がパネルディスカッションを通じて、工芸の未来について意見を交換する予定です。

また、宜蘭県にある国立伝統芸術センターや、花蓮の先住民によるバナナの皮を使用した芭蕉工芸工房、さらには南投県の国立台湾工芸研究発展センターも訪れる予定で、台湾の伝統工芸の多様性を体感する貴重な機会となります。

今後の展望


この交流がもたらす成果の一部として、台北芸術大学の学生をインターンとして受け入れる準備も進められています。2023年の春を目指して、実際に東北の工芸品に携わるチャンスが生まれる予定です。これにより、国を超えたクリエイティブなネットワークが形成され、東北地方の工芸品が台湾だけでなく、グローバルに展開されていくことが期待されます。

台中市でのポップアップストア


交流事業とは別に、11月26日と27日に台中市で東北の工芸品を中心にしたポップアップストアも開催されます。このイベントは、歴史的な背景を持つ「宮原武熊邸」で行われ、日本の伝統的な工芸品を展示・販売します。

このポップアップストアは、10月にはベルギーのアントワープでも開催され、大成功を収めたことから、台湾での開催に期待が高まります。多くの台湾の方々に仕立てた工芸品を直接手に取っていただき、その魅力を感じてもらう良い機会となるでしょう。

参加するアーティストたち


交流事業に参加する職人たちは、いずれも各県で非常に評価の高い方々です。例えば、岩手県を代表する田山貴紘氏は、南部鉄器「kanakeno」のブランドを立ち上げており、持続可能な若手職人の育成にも取り組んでいます。また、山形県の吉田勝信氏は、自然を素材にした色づくりの技術を探求し、現代における工芸の立ち位置を模索しています。

このように、東北の工芸文化が台湾との交流を通じて新たな光を浴びることが期待されており、今後も注目される活動となるでしょう。両国が共に手を携えることで、工芸の未来がますます豊かに広がることを期待しています。

会社情報

会社名
株式会社コミューナ
住所
宮城県仙台市青葉区一番町1-12-2星光堂ビル6階
電話番号
022-398-5395

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