上場企業の平均年収、過去最高を更新
2025年度において、約3700社の上場企業の平均年収が692.6万円に達し、歴史的な高水準を記録しました。これは、5年連続で前年度を上回る結果です。これにより、2003年度以降、データのある年の中で最高額を更新したことになります。2024年度と比較しても、21.5万円増加したことが報告されています。
この調査は、株式会社帝国データバンクが実施したもので、平均年収に加えて、従業員の平均年齢や勤続年数なども考慮して結果を出しています。特に注目すべきは、賃金が増加した企業の割合が76.8%に達したことで、これが過去最高を記録しました。
賃上げの背景
賃上げが促進された主要な要因は、人手不足です。企業が新卒や若手社員の初任給を引き上げていることで、給与水準が強く押し上げられる形となりました。具体的には、302社の企業が初任給を増やし、これが既存社員の給与にまで影響を及ぼしていると考えられます。
2025年には956社が平均賃上げ率(妥結額ベース)を5.5%以上に設定し、この数字は厚生労働省の調査結果をも上回るものでした。特に、均一な賃上げとは裏腹に、企業間での二極化が進んでいることが指摘されています。
業種ごとの給与動向
業種別に見ると、製造業が平均702.6万円と初めて700万円台を超えたのに対し、非製造業も686.8万円となり、いずれも前年から大幅に増加しました。特に、海運業が1120.1万円と全業界で唯一1000万円を超える年収を記録したことが注目されています。これは、日本郵船や商船三井など大手が高水準の賃上げを行った結果です。
一方で、全体の34.8%を占める企業が500万円以下の給与水準にとどまっているため、給与格差がさらに拡大する可能性があります。
東証プライム市場の成長
上場市場において最も給与が高いのは東証プライムで、平均793.2万円に達しました。206年間の平均年収が800万円台に到達する可能性もあると見られています。これに対して、東証グロースと東証スタンダードも順調に年収を伸ばしており、全市場で600万円を超える初めての年となりました。
今後の課題
賃上げの一方で、企業は「黒字リストラ」や「世代間格差」といった新たな問題にも直面しています。特にシニア層への影響が目立ち、若手と中堅層の評価が均等でなくなる恐れがあります。今後は、賃金制度の再設計が求められています。透明性のある評価制度を実装し、すべての年代が恩恵を受けられるような制度設計が急務です。
以上の調査結果から、着実に進行している賃上げトレンドが今後の日本経済における雇用環境にも大きな影響を与えることが期待されます。