浜松市、若者たちのアイディアで描く幸せな未来
2023年8月、浜松市で開催された「2045年の浜松をもっと幸せに」ウェルビーイング・アイディアコンテストの受賞作品が発表されました。このコンテストは地域の幸福度を高めることを目的に、次世代を担う若者たちが参加し、データに基づいたアイディアを提案する企画です。
コンテストの背景
浜松市は、「暮らしやすさ」と「幸福感」を数値化した「地域幸福度(LWC)指標」を導入し、その活用を進めています。この指標を活かして、若者たち自身が自らの感覚をデータで裏付けた街づくりのアイディアを提案することを狙いとしたものです。これにより、地域の魅力を引き出し、将来にわたり市民の幸福度を向上させるための具体的な施策を探りました。
開催されたワークショップでは、株式会社LODUが開発したゲーミフィケーション教材を用いて、参加者がLWC指標を実際に体感しながら学ぶ機会が提供されました。その結果、多くの独創的かつ実現可能なアイディアが集まりました。
受賞作品の発表
受賞作品の選考は、「キャッチコピーの魅力」、「テーマ設定の説得力」、「取組の具体性・実効性」という3つの基準に基づいて行われました。ここでは、最優秀賞と優秀賞を受賞した作品を紹介します。
大学生・大学院生・専門学生の部
-
作品タイトル: 『市民参加型プラットフォーム「やらまいかダッシュボード」』
-
キャッチコピー: 一人ひとりの声が育てる、未来型防災シティ浜松
-
概要: このアイディアは、市民参加型のアプリを通じて防災意識を高めるもので、地域の安全レベルを定量的に可視化します。ユーザーが防災活動に参加することでポイントを獲得し、そのポイントを地域商店で特典に交換できる仕組みが特徴です。これにより、町の安全と市民の幸福度を向上させることを目指しています。
- - 優秀賞: 片岩 拓也、大川 貴久 (静岡大学)
-
作品タイトル: 『移動から始めるwell-beingの再設計』
-
キャッチコピー: 山里を日常圏へ
-
概要: 移動手段を改善することで幸福度を向上させるアイディアで、シェアモビリティの導入を提案しています。地域交通を見直し、より多くの市民が活動しやすい環境を目指します。
中学生・高校生の部
- - 最優秀賞: 山名 悠希 (浜松市立西部中学校)
-
作品タイトル: 『佐鳴湖でランニング苗木駅伝』
-
キャッチコピー: 音と緑と好きな植物で学び道
-
概要: 学校、商店、自治会が共同で取り組むこの企画は、通学路を学びの道に変えるものです。参加者が育てた植物に関連する音声をQRコードで提供し、リレーや植樹活動を通じて地域貢献を促します。これにより、自然と教育が結びついた新しい学びの形を提案しています。
審査員のコメント
本コンテストは、SDGsや地域行政に関連する専門家たちによる審査が行われました。代表の多田様は、LWC指標と参加者の体験をリンクさせた提案が多く見られたことが印象的であったと述べています。
これからの浜松市
浜松市の未来に向けた若者たちの創造力は、地域の幸福度を新たな形で再定義する力を秘めています。今後、これらのアイディアが実現することで、2045年の浜松がどのように変わるのか、私たちも楽しみにしています。