スマホで文化財を未来へ!島根県立大学が実践する頌徳碑のデジタルアーカイブ化
島根県立大学地域政策学部地域づくりコースの学生たちが、スマートフォンを活用した文化財のデジタルアーカイブ化を実践しています。対象は、石見銀山領の代官・井戸平左衛門の功績を称えた頌徳碑533基。学生たちは、これらの位置情報を記載したウェブマップを作成し、すべての頌徳碑を3Dモデル化してウェブ上で閲覧可能にする活動を進めています。
井戸平左衛門は、「芋代官」として親しまれ、江戸時代にサツマイモを普及させて領民を飢饉から救った人物です。その功績をたたえて建立された頌徳碑は、島根県を中心に存在し、近年では詳しい位置情報が記載された『いも代官頌徳碑 533基 全覧』が発刊されました。
島根県立大学では、この『いも代官頌徳碑 533基 全覧』をもとに、学生たちがスマートフォン用アプリ「Scaniverse」を使って頌徳碑の3Dモデルを作成。現在、529基のモデル化が完了しており、残る4基は益田市の高島などを含む地域にあります。
これらの活動は、地域住民が近隣の文化財を自分たちの手で残すことを実現するための取り組みの一環です。作成された3Dモデルは、デジタルアーカイブとしてウェブ上で公開される予定です。
文化財を未来へ繋ぐデジタル技術
場所によっては、高齢化や過疎化によって文化財の保全が困難になっているケースも存在します。このような状況下で、デジタル技術を活用したアーカイブ化は、文化財を未来へ繋ぐための有効な手段と言えます。
学生たちが作成した3Dモデルは、単に文化財を記録するだけでなく、多くの人にそれらを見てもらう機会を提供します。人々の関心を引き、地域資源としての活用につながる可能性を秘めています。
地域活性化への貢献
この取り組みは、地域住民が文化財への関心を高め、地域への愛着を深めるきっかけとなるでしょう。また、新たな歴史的発見にも繋がる可能性を秘めています。
学生たちのデジタル技術を活用した活動は、地域活性化に貢献するだけでなく、文化財の保護と継承という重要な役割を担っています。