子どもの声をきく社会を目指す
認定NPO法人SOS子どもの村JAPANが、新たに発行した支援者向けの会報誌「News Letter vol.20」では、「まちの子どもの声をきくことができる社会に」というテーマのもと、子どもアドボカシーについて特集されています。
SOS子ども村JAPANについて
SOS子どもの村JAPANは、オーストリアに本部を置く国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人として、130を超える国と地域で活動しています。主に、地域社会から孤立した子どもや家族が抱える問題を解決するために、「里親制度」を活用した地域支援の取り組みを行っており、里親家庭やファミリーホームを支援しています。これらの活動は、地域掃除を通じて多くの子どもたちに生活の安定を提供することを目的としています。
News Letter vol.20の内容
本誌では、社会的養護の現場で「アドボケイト」として活動する人々、当事者でありながら現在は支援者として活躍する方、さらに児童養護施設の職員など、子どもの声を大切にするために日々尽力している方々へのインタビューも掲載されており、彼らの実体験や思いが語られています。
その中で、表紙には社会的養護で育った篠谷勇生さんの美しい絵と詩が採用されており、彼自身の経験に基づくメッセージが存在しています。篠谷さんは、自らの気持ちを表現することの大切さを語り、「子どもの声をきくこと」が持つ意義について考えさせられます。
児童福祉法の改正と子どもアドボカシー
このボリュームは、令和6年度の児童福祉法の改正に伴い、一時保護における意見表明支援の新たな事業創設がなされた背景にも触れています。最近、「子どもの声をきくこと」が社会全体の重要な議題として認識されるようになっていますが、それが具体的に何を意味するのか、多くの人々が疑問に思っています。どのようにして本当に子どもの声を届けるのか、これは大きな課題です。
取材を経て、「変わらない」と諦めた子どもや経済的な理由から声を上げられない子どもたちがいる中、意見を内に秘めることの悲しさを実感しました。
社会的養護での生きる力
社会的養護の中では、子どもたちが人生を大きく変えるような意思決定を強いられることもしばしばあります。その状況に面する際、心が揺れ動くことは避けられません。しかし、そういう瞬間こそ、彼らが自分の思いを言葉にして伝える重要性が浮かび上がります。子どもが自分の声を信じられ、意見を述べる権利を持つことは、子ども自身の主体性を育てることにつながります。そして、その主体性こそが、厳しい状況でも自らの人生を切り開くための重要な鍵となるのです。
今後の展望
「News Letter vol.20」は、単なる情報誌ではなく、子どもの声を聴くことの意義を深めるためのメッセージを発信する重要な媒体となっています。寄付者向けの発行ではありますが、社会全体がこの取り組みに関心を持ち共に歩んでいくことが期待されています。寄付会員の加入を通じて、子どもたちのための支援活動に一緒に参加できる機会が提供されています。この機会に、ぜひとも一人でも多くの方が子どもアドボカシーの一翼を担っていただければと思います。
子どもたちの声が主役となる社会を目指して、私たち一人ひとりが何ができるのか、日々考えていく必要があるでしょう。