アイルランドへの外国直接投資促進に向けた訪日
2025年4月、アイルランド政府産業開発庁の専務理事、マリー・バックリーが来日し、いくつかの日本企業と重要な会談を行いました。彼女は海外拠点におけるアイルランドへの外国直接投資を統括し、訪問を通じて日本からのさらなる投資を促進することを目指しています。
日本企業との対話を通じた投資の拡大
最近の経済情勢において脱グローバル化や地政学的な不安が広がる中でも、アイルランドには着実に海外からの投資が集まっています。アイルランドは70年以上にわたり、世界の1800以上の多国籍企業を迎え入れており、日本からも44社が拠点を設置しています。アイルランドは、地理的な要因や英語を公用語としEUの一員であるため、企業にとって非常に魅力的な場所とされています。
アイルランドでは、制度やビジネス環境が整備されており、政府からのインフラ整備や税制優遇などのサポートも充実しています。これにより、企業のイノベーションを促進するためのエコシステムが形成されています。近年、アイルランドはスタートアップやテクノロジー企業にとっても理想的な環境を提供しており、新たなビジネス機会が創出されています。
若く多様な人材の魅力
アイルランドは多様で優秀な人材にも恵まれています。国の人口の約50%が34歳未満であり、労働力の約19%が外国出身であるため、国際的な視点を持つ働き手が育成されています。また、女性の労働人口も高く、その多くがリーダーシップポジションを occupyingしています。政府は人材育成を国の戦略として位置づけ、安価な高等教育や企業との連携によるスキルアッププログラムを推進しています。
新たな戦略「Adapt Intelligently」
バックリーは、IDAアイルランドが策定した新しい戦略「Adapt Intelligently: A Strategy for Sustainable Growth and Innovation(持続可能な成長とイノベーションの促進に向けた戦略)」の実行を担っています。この5年間の戦略は、半導体やヘルスケアなどの産業分野に対して新たな企業誘致を図り、デジタル化やAIの進展、さらにサステナビリティの推進を目指しています。
バックリーは、訪日の経験について「日本の企業との建設的な対話ができた。このアイルランドのエコシステムは、日本企業が拠点を構える際、特に安定性が重視される欧州市場でビジネスを拡大するための強力な基盤となる」と述べています。具体例として、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2025年4月にアイルランドに新たな研究開発拠点を設立する計画を発表しており、その規模は約100人とされています。
最後に
バックリーは「アイルランドの多様な優秀な人材は、企業の成長を加速するだろう。今後も日本とアイルランドのパートナーシップを強化していく」と日本市場への強いコミットメントを示しました。これからの日本企業のアイルランドへの進出は、さらなる可能性を秘めています。
アイルランド政府産業開発庁(IDA Ireland)について
IDAアイルランドは、アイルランドの産業開発や外国からの直接投資を促進する目的で設立された政府機関です。日本事務所では、過去40年間にわたり、日本企業が欧州へ進出するための情報提供やサポートを行っています。詳細は公式サイトで確認できます。