サッポロホールディングスがTNFDに基づく情報を公開
サッポロホールディングス株式会社は、2023年において自然関連の財務情報を「気候変動対策」に統合し、サステナビリティサイト上で公開しました。この開示は、2019年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し続けている方針の一環です。新たな自然関連情報は、自然資本に関連した分析結果として整理され、提供されました。
TNFD Adopter登録とLEAPアプローチに基づく分析
本年の初めに、サッポロホールディングスは西野「TNFD Adopter」として登録され、自然資本との関係をより深く理解し、分析を進めてきました。この分析プロセスは、TNFDが提案するLEAPアプローチに基づき実施され、2030年に向けた新たな目標設定が行われました。サッポログループのサステナビリティ方針「大地と、ともに、原点から、笑顔づくりを。」に基づき、今後の環境保全活動をさらに強化していくことを約束しています。
傘下事業の詳細分析
今回の分析では、酒類、食品飲料、不動産といったグループの主な事業における全サプライチェーンが評価対象となりました。その結果、自然に大きく依存し影響する業務として、大麦とホップの生産が選定されました。これは、近年の環境問題がより重視される中で、農業生産に関連している重要な要素です。
分析の過程で、調達先農地の位置情報を把握し、その周囲の自然状態を詳しく評価しました。また、自然に与える影響を分析する中で、水質汚染が大きな要因となっていることも明らかになり、その根本的な要因である窒素肥料の使用量にも焦点を当てました。
新たな目標設定と意義
新しく設定した目標は、「大麦/麦芽の単位量あたりの窒素肥料投入量の把握と施肥最適化のコミュニケーション」を目指し、2030年までにその実施割合を100%とすることです。この目標は、昨年取得した温室効果ガス排出削減目標に関連し、特に農作物の生産や土地利用の変化に伴う温室効果ガスの排出に関する対策が重要視されています。さらに、窒素肥料の投入は水質汚染の原因ともなり、その影響を低減するための努力が求められています。
サッポロホールディングスは、主に大麦と麦芽の供給業者とのコミュニケーションを通じて、この施肥最適化を進めていく方針です。この取り組みを通じて、環境負荷を減少させる動きが進むことが期待されています。
さらなる具体的な取り組み
これに加えて、サッポログループが導入した低環境負荷の麦芽「Clim Trace(クライムトレイス)」を使用したビール製造や、恵比寿ガーデンプレイス内にある「サッポロ広場」が環境省の「自然共生サイト」に認定されたことなども、サステナジビリティへの貢献として挙げられます。これらの取り組みは、単に企業の利益を追求するだけでなく、持続可能な社会に向けた責任を果たすための重要なステップであると言えるでしょう。
まとめ
サッポロホールディングスが新たに発表した自然関連の財務情報の公開は、企業が環境問題に真剣に取り組んでいることを示す重要な指標です。今後の活動が、より持続可能な社会の実現に寄与することを期待しています。