除雪機の安全使用法:冬の雪対策と事故防止のポイント
冬の寒候期に突入し、大雪が予想される中、除雪機の利用がますます増える時期になりました。しかし、安全に使用しなければ命に関わる危険が潜んでいます。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)がまとめたデータによれば、2014年度から2023年度までの10年間で、除雪機による死傷事故は38件に上り、そのうち25件が死亡事故です。事故の多くは、安全機能を無効化する、周囲を確認しない、エンジンを掛けたまま離れるなどの不注意によって引き起こされています。ここでは、除雪機を安全に使うための5つのNG行動を紹介し、具体的な事故事例を通じて注意点を解説します。
除雪機に関する5つのNG行動と事故事例
1. 安全機能を無効化する
事故事例: 2021年1月、広島県で80代男性が、除雪機の安全機能を無効化して作業中に転倒し、機械の下敷きになって死亡しました。エンジンが動いているため、彼の手が離れても機械は止まらず、重大な事故を引き起こしました。
2. エンジンを掛けたまま離れる
事故事例: 同じく2021年1月、新潟県で9歳の男児が、除雪機のオーガに巻き込まれ死亡。作業者がエンジンを切らずにその場を離れたことで、遊んでいた子どもが機械に触れてしまったのです。
3. 雪詰まりを手で取り除く
事故事例: 2022年12月、秋田県で手を使って雪を除こうとした50代女性が、傷を負いました。エンジンを掛けたままの行動が原因で、回転する部分に触れてしまったのです。これには必ず専用の雪かき棒を使用する必要があります。
4. 屋内で使用する
事故事例: 2023年1月、北海道で80代男性が物置の中で除雪機を作動させ、一酸化炭素中毒で亡くなりました。十分な換気がされていない場所での作業は致命的となることがあります。
5. 使用時に周囲の安全確認を怠る
除雪作業の際には、特に子どもが近くにいる場合、安全確認を必ず行ってください。背丈の低いこどもは視界に入りにくく、危険が増します。
事故を防ぐためのポイント
- - 安全機能の無効化をしないこと。デッドマンクラッチ機構を固定しないよう、動作を正しく行いましょう。
- - エンジンを掛けたまま、その場を離れないこと。ほんの数分の離れも、事故に繋がる可能性があります。
- - 他の人が近くにいる時は使用しないこと。特に周囲に注意を払い、確認を怠らないよう注意を。
- - 雪詰まりを取り除く際には、エンジンを必ず切り、専用の道具を使用すること。
- - 屋内や換気の悪い場所では使用しないこと。換気に配慮し、安全な場所で作業を行いましょう。
この冬、除雪機を使用する際には、これらのポイントを改めて確認して、安全な作業を心掛けてください。