近年、環境問題への対応が求められる中、農業分野でも持続可能性が注目されています。特に、防除剤や農薬の選定は、農作物の品質や収量だけでなく、環境へ与える影響も大きな課題となっています。株式会社ゼロボードは、バイエル クロップサイエンスと協力し、最新の除草剤「水田雑草 テーラーメイド防除®」の導入を通じて、カーボンフットプリント(CFP)を分析しました。
このプロジェクトでは、温室効果ガス(GHG)の排出量削減が目指されています。具体的には、従来品である「カウンシル®エナジーフロアブル500ml」から新製品への切り替えにより、約3割のGHG排出量削減が可能であることが確認されました。この結果は、大規模農家を想定した20haの圃場での実利用をベースとした算定に基づいています。
尚、この算定を行った背景には、デジタル技術を駆使した農薬の最適な調合があることも特筆すべき点です。「水田雑草 テーラーメイド防除®」は、高濃度製剤を使用し、容器の小型化を進めることで、物流におけるGHG排出を効率的に削減可能となります。これにより、農業が持続可能な方向へと向かう大きな一歩が踏み出されています。
実際の算定結果からは、製品の生産プロセスにおける原材料調達が環境負荷の大部分を占めることが確認され、製品の高濃度化や小型化がGHG削減に寄与しています。バイエル クロップサイエンスは、2030年までに作物1kgあたりのGHG排出量を30%削減する目標を掲げており、その実現に向けた取り組みを着実に進めています。
このコラボレーションは、ゼロボードのESG関連データ収集・管理プラットフォームを活用することで実現されたものです。企業の環境負荷を可視化し、削減へと導くことは、現代の農業において欠かせない課題であり、双方の企業が共同で取り組む意義は非常に大きいものと言えます。
ゼロボードは、今後もサステナビリティ経営を支える手法となるLCA(ライフサイクルアセスメント)を用いた支援を行っていく予定です。具体的には、農薬の生産から廃棄に至るまでのGHG排出量を評価し、持続可能な農業の実現へ向けて尽力することでしょう。
また、両社は、これらの成果を基にした新たなビジネスモデルや、環境に配慮した農業の普及に力を入れることで、農業界全体への影響を与えることも目指しています。
近い将来、サステナブルな農業が広く支持される世界が実現することを期待し、ゼロボードとバイエル クロップサイエンスの取り組みに注目です。