JSRとQunaSysの契約
2019-03-01 09:00:30

JSRとQunaSys、量子コンピュータ活用の共同研究契約を締結

JSRとQunaSysが共同研究を開始



この度、JSR株式会社と株式会社QunaSysは、量子コンピュータの利用を目指した共同研究契約を締結しました。本研究の目的は、量子コンピュータを活用し、量子化学計算や材料開発における具体的なノウハウを構築することです。その実現に向けて、両社が持つ専門知識と技術を融合させ、実用的な量子コンピュータのアルゴリズム開発を進めていくこととなります。

共同研究の内容



JSRは長年にわたり量子化学や材料開発のノウハウを積み重ねており、QunaSysは量子コンピュータとそのアルゴリズムに関する最先端の知識を有しています。この二つの企業が力を合わせることで、近い将来において実用化されるであろう量子コンピュータを有効活用し、より役立つ技術を創出することを目指します。

この研究においては、QunaSysが管理する高速な量子コンピュータのシミュレータであるオープンソースソフトウェア「Qulacs」や、クラウドで利用可能な小規模な量子コンピュータの実機を使って、研究を進める予定です。

量子コンピュータの特徴とその可能性



量子コンピュータは、従来のコンピュータとは異なる原理で処理を行い、超高性能な計算能力を持っています。これにより、従来のスーパーコンピュータを用いては解決が難しい複雑な問題に対して迅速な解答を提供することが期待されています。1980年代に量子コンピュータの概念が提案されて以来、長い間「夢の技術」とされていましたが、近年では実用化が急速に進んでいます。

特に最近注目を集めているのが「NISQデバイス」と呼ばれる量子コンピュータです。このデバイスは、誤り訂正機能が搭載されていないながらも、中程度のサイズを持ち(数百量子ビット程度)、量子加速が実証されつつあります。量子化学計算や機械学習分野での応用が切望されており、その利活用が期待されています。

量子化学においては、NISQデバイスを用いて大規模かつ高精度な計算が進められており、効率的なアルゴリズムやその応用が日々提案されています。また、新たな材料を開発するためのプロジェクトも増えてきています。

JSRとQunaSysの企業情報



JSR株式会社は、1957年に設立され、合成ゴムの国産化を始めとした事業展開を行っています。エマルジョンや合成樹脂の製造を行う中で培った独自の高分子技術は、半導体材料など多岐にわたる分野に応用されています。さらに、ライフサイエンス領域でも新たな柱を立ち上げており、バイオ医薬品や診断薬材料などを供給しています。

一方、株式会社QunaSysは量子コンピュータのアルゴリズムやアプリケーションの開発に焦点を当て、革新的なアルゴリズムの提案や量子コンピュータを利用したツール開発を手掛けています。これらの技術は、今後ますます進化し、様々な分野で恩恵をもたらすことが期待されます。

お問い合わせ先



共同研究に関するお問い合わせは、以下の連絡先までお願いいたします。

株式会社QunaSys
代表 楊 天任
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-18 ハイテク本郷ビル1F
Email: [email protected]

今後の研究成果に大いに期待が寄せられる中、量子コンピュータの可能性がますます広がっています。本契約がどのような成果につながるのか、目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社QunaSys
住所
東京都文京区白山1-13-7 アクア白山ビル9F
電話番号

トピックス(IT)

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