投資家が考えるESG情報開示の必要性と現状の課題とは

近年、企業のESG（環境・社会・ガバナンス）情報開示の重要性が高まっています。投資先企業が環境や社会に与える影響のみならず、その情報が企業の持続可能性や成長に与えるインパクトに対しても、投資家は敏感になっています。株式会社エスプールブルードットグリーンが実施した調査によれば、企業のESG情報に対する投資家の関心は強く、6割以上が「改善の余地がある」と感じています。

調査概要

エスプールブルードットグリーンによるこの調査は、2025年1月15日から17日までの期間に行われ、調査人数は1,025人。対象は機関投資家や個人投資家で、インターネットを利用した方法で実施されました。調査の結果、ESG情報の質が投資判断に与える影響について多様な見方が浮き彫りになりました。

ESG情報の活用状況

調査の結果、投資対象企業の選定にESG情報を活用していると答えた人は半数を超え、内訳として「とても活用している」が18.1％、「やや活用している」が33.9％でした。ESG情報を活用することで、企業の“長期的な持続可能性”や“社会的責任”を評価できるため、多くの投資家が重視しています。特に、持続可能性の評価に関しては変わりつつある投資の視点が反映されています。

ESG評価の投資への影響

「企業のESG評価が投資にどの程度影響すると考えるか」という質問に対し、約6割の投資家が「とても影響する」または「やや影響する」と回答しました。特に、「今後も成長していく可能性が高い」と感じることや「リスク管理ができている」と評価することが、ESG評価が高い企業を選ぶ理由として挙がっています。これは企業の信頼性を示唆する結果です。

ESG情報開示に対する不満

それでは、現在のESG情報開示の状況についてはどうでしょうか。「企業のESG情報開示が不十分だ」と感じる投資家の割合は高く、65.8％が「ある程度開示されているが改善の余地がある」と回答し、8.8％は「不十分で改善が必要」と指摘しました。さらに、改善が必要と考える主な理由として、環境や社会問題が企業の財務に与える影響の説明が不足していることが挙げられました。