日本初の「遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム」の設立と新たな展望

新たな支援の形、遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアムを設立



2021年2月、日本において「一般社団法人遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム(略称:DISCOVERY)」が発足しました。この法人は、希少疾病の一つである遺伝性血管性浮腫(HAE)の診断と認知度向上を目指して活動を展開します。

遺伝性血管性浮腫(HAE)とは?


HAEは、主に遺伝子の変異によって引き起こされる病気であり、C1インヒビターと呼ばれる血液成分が低下し、その機能に障害が起こります。この疾患にかかると、さまざまな部位で数日続く腫れやむくみが引き起こされ、特にのどが腫れると呼吸困難に陥る危険性が高まります。日本では、HAEの有病率は5万人に1人程度とされ、診断を受けている患者は約430人、推定患者数の20%にあたるとされています。

設立の背景と目的


希少疾患は、一般的に診断が難しく、患者の多くが適切な治療を受けるまでに多くの時間を要します。HAEも同様の状況であり、患者が正確に診断されるまでに要する平均期間は日本で約13.8年です。これを改善し、より多くの患者が適切な治療を受けられるようにするため、医療関係者、患者団体、製薬企業が連携し、専門性を活かした活動を展開することが本コンソーシアムの目的です。

具体的な活動内容


遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアムでは、以下の3つのワーキンググループ(WG)を設立し、それぞれの専門的な知識と技術を生かして活動します。

1. 医療データAI分析WG:医療データを分析し、HAEの診断支援AIを開発します。このAIを活用することで、診療現場での見落としを防ぐ仕組みを構築します。
2. 非専門医診断支援WG:HAEに関する知識を提供し、非専門医が専門医に診断相談できるネットワークを構築します。
3. 未診断患者向け疾患啓発WG:未診断の患者同士がコミュニケーションをとり、自己診断をサポートするための情報提供を行います。

テクノロジーの活用


さらに、コンソーシアムはテクノロジーを駆使して、診断の向上を図るとともに、医療関係者とIT企業の連携を深めていく方針です。この取り組みにより、より効率的な診断体制を整備し、HAEに対する理解を広めることが期待されています。

法人概要


一般社団法人遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアムの所在地は埼玉県草加市で、設立は2021年2月です。代表理事には医療機関で活躍している秀道広氏と堀内孝彦氏が就任しており、両氏はそれぞれHAEに関する研究や啓発活動に長年従事してきました。

お問い合わせ先


HAE患者を支援するための様々な活動に興味がある方は、一般社団法人遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアムへ連絡してみてください。詳細な情報は彼らの公式ウェブサイトまたはメールでのお問い合わせを通じて得ることができます。

まとめ


一般社団法人遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアムの設立は、HAEに対する認知度をさらに高め、患者が正しく診断され、適切な治療を受けられる未来に向けた第一歩となります。希少疾病に悩む多くの人々にとって、このコンソーシアムの存在が希望となることを願っています。

会社情報

会社名
一般社団法人 遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム
住所
埼玉県草加市松原1丁目7番22号
電話番号

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