株式会社10Xが21億円の資金調達を実施
株式会社10Xは、2023年において過去最大の資金調達を実施し、総額21億円を集めました。この資金は、グローバル・ブレイン株式会社とJICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社をリードとした第三者割当増資の一環として実現したものです。これにより、同社の主力製品である「Stailer(ステイラー)ネットスーパー」の機能強化や新しい小売支援プロダクトの開発が進められる見込みです。
10Xのミッションとこれまでの歩み
10Xは、「小売業の未来を拓く」という明確なミッションを掲げ、小売業が抱えるさまざまな課題に応えてきました。小売業は地域の食文化を支える重要な存在である一方、人口減少や労働力不足などの影響に直面しています。
同社は、顧客体験とスタッフの働き方を「10倍」に進化させることを目指し、地域の事業者と連携しながら現場に根差した支援を行っています。特に、単なるITツールの導入にとどまらず、パートナー企業との長期的な共創にフォーカスし、「産業としての変革」を目指した協働が進められています。
「Stailer ネットスーパー」の成長
現在、10Xの「Stailer ネットスーパー」は、多くのスーパーマーケットやドラッグストアで導入され、年間流通総額は数百億円規模を達成しています。また、Stailerを介したネットスーパーの成長率は、市場平均を大きく上回る56.7%に達しました(2024年実績)。
導入先の一例として、デリシアでは、導入から1年で売上が前年比1.4倍、注文数が1.8倍に伸び、店舗営業利益も顕著に改善しています。このように、Stailerは、収益化の課題を克服し、持続可能な経営を実現するための強力なツールとして期待されています。
資金調達の意義と今後の展望
今回の資金調達を通じて、10Xはさらなる「Stailer ネットスーパー」の拡大を図るだけでなく、新しい小売DX支援プロダクトの開発にも力を入れます。調達した資金は、Stailerの持続的改善や多様な課題への新規プロダクトの開発に活用される予定です。
これまでの投資家との連携をより強化しながら、地域に根ざした小売企業の支援を続け、「小売業の未来を拓く」ための挑戦が続けられます。
投資家たちの期待と支援
グローバル・ブレイン株式会社の代表取締役社長、百合本安彦氏は「10Xの深い業界理解と優れたプロダクト開発力に感銘を受けました。企業の経営成果にコミットする支援の姿勢も高く評価しています」と述べています。
また、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社の木村氏も「地域の食文化を支えるため、10Xが役割を果たしていくことを期待しています」と応援の意を表しています。
最後に
株式会社10Xの代表取締役CEO、矢本真丈は、「私たちは小売業が抱える構造的な課題に向き合い、今後も現場に根ざした変革に取り組んでいきます。次世代の小売業インフラとして、全体を支えるサービスへの進化を図ります」と語っています。今後の10Xの動向に、ぜひ注目していきたいものです。