コロナ禍が引き起こす心の不安とミッドライフクライシス
近年、特に40代と50代の女性からの相談が急増してきています。特に、コロナ禍以降はその数が2倍に達しており、これが私たちの幸福度にどのように影響を及ぼしているのでしょうか。一つの理由として、ミッドライフクライシスが挙げられます。この状態は、主に40代から50代にかけて見られ、人生に対する不安や葛藤が生じる時期とされています。
ミッドライフクライシスの実態
日本国内で行われた調査によれば、45歳から59歳の幸福度が過去最低を記録し、特に主観的満足度は世界137位に位置しています。この現象は、多くの中高年層が直面するミッドライフクライシスが影響しています。中年期に入ると、身体的な変化や職業的な不安、また家庭や子供の育成に関する問題が絡まり、心の健康を害しがちになります。このような悩みは、うつ病や適応障害、パニック障害へと進行することがあり、非常に深刻な状況を招くこともあります。
コロナ禍での相談者の増加
人間根本問題研究所の代表である岩永留美は、過去に400回以上の講演を行い、累計で10,000人を超える相談者の声を聞いてきました。その結果、特に40歳から50歳の女性相談者が急増していることが分かりました。コロナ禍では「おうち時間」の増加により、不安を掻き立てる情報が拡散され、生活的な不安や老後の心配が重なり、ミッドライフクライシスを悪化させているのです。
孤独感と人間関係の不安
長い時間を共にした友人との価値観の違いが際立ち、これまでの関係にも亀裂が入っているように感じる人も増えているようです。このことが、孤独感を引き起こし、さらにメンタルヘルスに影響を与える要因となっています。中には、医療機関を訪れ、処方された薬に頼るが効果が実感できない相談者や、焦りから不正投資に手を出し、精神的に追い込まれる方もいます。
ミッドライフクライシスを理解するためのチェックリスト
自分自身がミッドライフクライシスに陥っているかもしれないと感じる方は、以下のチェックリストを参考にしてみてください:
- - 容姿の変化を受け入れられない
- - 子供が巣立ち、虚無感を感じる
- - 日々の生活にやりがいや意義を見出せない
- - 趣味がなく、居場所を感じられない
- - 「何かを始めなければ」と焦っている
- - 人間関係に不安を抱えている
- - 過去のトラウマから抜け出せない
- - 自分を好きでないと感じる
- - 生きる意味が分からない
- - 自らの悩みを理解してくれる人がいない
これらのうち、4つ以上に該当する場合、ミッドライフクライシスの可能性が高いと考えられます。
向き合い方とカウンセリングの重要性
岩永留美は、カウンセリングを通じて「幸せは創るものではなく感じるものである」と知った相談者が、心の開放を得たという体験談も紹介しています。また、ミッドライフクライシスをネガティブに捉えず、成長のためのチャンスと捉えることが大切だとも言っています。これに基づいたグループカウンセリングの座談会が、熊本と東京で開催予定であり、参加者がそれぞれの悩みを共有し合うことで新たな気づきを得る機会となるでしょう。
今後の活動
岩永は、国連女性の地位委員会に日本代表として参加することも決定しており、カウンセリングだけでなく、教育活動を通じても女性の幸福度向上に貢献する意向を示しています。また、3月12日には新刊『イライラが愛に変わる!逆説人生法則』を出版することが発表され、より多くの人々に希望を届ける内容となることが期待されています。
今後も、ミッドライフクライシスというテーマに向き合い、心の健康を保つための方法を模索することが重要です。心の悩みを一人で抱え込まず、ぜひ専門家の助けを借りることをお勧めします。