カラクリとUpstageが開発した新たなLLMモデル「Syn」の展開
カラクリ株式会社は、韓国のAI企業であるUpstageと技術提携を結び、日本市場向けの大規模言語モデル(LLM)「Syn」をリリースしました。2024年3月25日からAWS Marketplaceで利用可能となり、日本語対応のカスタマーサポート向けソリューションの充実を図ります。
「Syn」の開発背景
現在、世界中で多くの企業がAIを活用し、特にカスタマーサポートにおいてはその重要性が増しています。しかし、グローバルに使用されている大規模言語モデルは、日本語の特有な構造や文化的な背景を十分に理解していない場合が多いです。カラクリはこの課題に対処するため、日本企業のニーズに応えるべくUpstageの軽量モデル「Solar Mini」をベースに、「Syn」という新しいモデルを開発しました。
ローカライズの重要性
日本語には助詞や敬語、文脈依存性があり、これを正確に理解することが求められます。さらに、日本特有のコミュニケーションスタイルや業務慣行にも対応が必要です。これらの課題を解決するためには、単なる翻訳やモデルの更新だけでは不十分で、日本語と文化に根ざした設計変更が求められます。
カラクリの強み
カラクリでは、長年カスタマーサポート向けのAIソリューションの開発を行ってきた結果、質の高いデータを多数蓄積しています。特に、データサイエンスの専門家たちが日本語に特化したデータセットを作成し、トレーニングを行っています。このような取り組みから、精度の高い回答が期待できるわけです。最新の技術を用いて、大規模な計算リソースを効率的に使い、開発コストの削減にも成功しています。
「Syn」の3つの価値
「Syn」という名称は、「共に」「結びつく」という意味があり、以下の3つの価値を提供します。
1.
新 — エンタープライズAIの新しい選択肢
- Upstageの実績を基にした高品質なAIソリューション。
2.
真 — 業務に適した正確な情報を提供
- 高度な日本語データを活用し、日本特有の文脈を理解。
3.
進 — 柔軟に進化するAIソリューション
- ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズ可能な設計。
Upstageの視点
UpstageのCTOであるイ・ファルソク氏も「日本市場における成功には、単なるローカライズでは不十分で、日本文化への深い理解が必要だ」と述べています。この協業を通じて、カラクリとUpstageが持つそれぞれの強みを結集し、新しい日本専用LLMモデルを生み出しました。
まとめ
カラクリ社は、「FriendlyTechnology」としてAIの実用化を目指し続けています。この度の「Syn」は、単なる製品の提供にとどまらず、日本市場のニーズに応えるために生まれた新しいAI技術の結晶です。今後の日本企業における生成AIの導入の一助となることでしょう。ぜひ、AWS Marketplaceで「Syn」を体験してみてください。