東京都済生会グループ、業務自動化を実現
東京都港区に位置する済生会中央病院と墨田区の済生会向島病院が、業務の効率化を目指しRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、年間約2000時間の業務を自動化したことが発表されました。この施策は、医療機関の事務業務の負担を軽減し、生産性を向上させることに寄与しています。
RPA導入の背景と課題
医療業界では、時間外労働の規制や事務業務の増加による職員の負担が深刻な問題となっています。特に事務職においては、業務の増加と人材不足が重なり、効率的な業務運営が求められています。済生会グループは、2050年に向けた人口減少と医療提供者の不足という厳しい現実を背景に、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環としてRPAの導入を決定しました。
導入したRPAの具体的な成果
済生会中央病院では、企画課におけるデータ集計や資料作成の負担を軽減するため、RPAを導入しました。ここでは、企画部門で必要な時間が大幅に減少し、実際に8部門で17の業務を自動化し、年間約1300時間の削減効果を達成しました。この他にも、作業の見直しや標準化が進み、職員の精神的な負担も軽減されています。
また、済生会向島病院では、感染症増加によるスタッフの欠勤が問題となっていましたが、RPA導入により3部門で年間600時間以上の業務削減を実現しました。また、通常であれば外部委託に必要なコストが約1200万円かかるのに対し、RPAを利用することでその費用を大幅に抑えることにも成功しています。
RPA導入に向けた今後の展望
ヒューマンリソシア株式会社は、今後三年間でさらに50の医療機関へのRPA導入を予定しています。医療事務における自動化のノウハウを活かし、業務の生産性向上をサポートする体制を整えていくとしています。
さいごに
RPAの導入は、医療現場における業務の効率化を進める重要なステップです。今後も済生会グループは、質の高い医療サービスを提供するためにDXを推進し続けるでしょう。このような動きは、今後の医療人材確保にもつながり、患者へのより良いサービス提供へと結びつくことが期待されます。