石川県初の避難者マネジメントシステムが4市町で本格運用
株式会社バカンが、石川県の輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の4市町で「避難者マネジメントシステム」を導入し、2025年11月30日から本格運用を開始したことが発表されました。このシステムは、避難所の入退所や名簿作成、状況把握をデジタルで一元管理し、迅速な意思決定を支援するものです。特に、令和6年の能登半島地震を受けて、自治体や住民からのフィードバックを元に開発されたことから、地域の実情に非常に即したものになっています。
自然災害の激甚化と対応
最近、自然災害が増える中で、各自治体では避難時の混雑を抑え、安全な避難を実現することが急務となっています。バカンはこれまで、全国200以上の自治体で避難所の混雑状況を可視化する取り組みを行い、よりスムーズな避難を支援してきました。
令和6年の能登半島地震や豪雨では、通信や電力が途絶した影響で避難所運営が混乱し、名簿の作成や要配慮者への対応が求められた結果、様々な課題が浮き彫りになりました。この教訓を受け、石川県は「奥能登版デジタルライフライン」を推進し、デジタル化を重要な柱に位置付けています。バカンは、その中で避難所運営の基幹システムを担当しています。
導入されたシステムの詳細
4市町で導入された避難者マネジメントシステムは、複数のサービスを統合した共通プラットフォーム上で提供されています。具体的には、以下の機能が含まれています:
- - 避難所入所手続き:マイナンバーカードなどを用いた身分証の読み取りや、LINE公式アカウントを介した情報入力が可能です。
- - 避難者名簿の作成:避難者のデータをリアルタイムで更新し、個人情報の管理が容易になります。また、名簿はCSV形式で出力可能です。
- - 避難所混雑状況の可視化:自身の現在地に基づいて、近くの避難所の位置や混雑状況を地図上で確認できます。
これらの機能により、避難所の運営がスムーズに行えるようになります。特に、名簿作成が自動化されることで、手書きやExcelでの管理負担が大幅に軽減されます。
かつての教訓を基にした今後の展望
バカンは、今回のシステム導入を皮切りに、物資の必要量の予測や、外部システムとのデータ連携機能の拡充を図っています。さらに、日常生活における公共施設の予約や観光情報の提供など、幅広い機能展開を目指しています。これにより、災害時だけでなく日常的に地域住民をサポートする体制を整えることを目指しています。
バカンの企業概要
株式会社バカンは、2016年に設立され、東京都中央区に本社を置いています。経済産業省の「J-Startup 2019」に選定され、「人と空間を、テクノロジーで優しくつなぐ。」というミッションのもとで事業を展開しています。
今後も、地域の安全と暮らしの向上に向けて、さまざまな取り組みを進めていくことでしょう。