新潟の苔栽培
2019-12-10 20:22:10
苔栽培で新潟の鉄道空間を美化する取り組み
新潟の農業生産法人が挑む苔栽培の新展開
新潟県の農業生産法人、株式会社グリーンズグリーンが、JR東日本との協力のもとで展開する苔栽培プロジェクトが注目を集めています。この取り組みは、鉄道高架下を有効活用することを目的としており、2019年11月から2020年3月まで行われ、JR東日本スタートアッププログラム2019で優秀賞を受賞しました。
地域の課題を解決する苔の力
このプロジェクトは、JR東日本が所有する未利用地を活用した苔栽培の実証実験からスタートしました。その結果、日陰で育つ特性を持つ苔を用いることで、地方の高架下の空間を美しく、かつ機能的に再生することができるのです。
具体的には、新潟の郡山駅周辺高架下や川崎駅周辺などの施設が対象となり、地域の農業者や福祉施設と協力しながら、苔栽培を通じて収入の向上が期待されています。手間のかからない苔栽培は、十分なメンテナンスを必要とせず、地域を活性化させるための素晴らしい手段となっているのです。
駅や施設を彩る苔アート
また、この苔栽培プロジェクトは、JR東日本の駅や施設内の緑化推進にも寄与しています。独自の技術を駆使して、駅の待合室に生きた苔を定着させることで、訪れる人々に癒しや安らぎを届ける苔アートが設置されます。この苔アートは湿潤効果を維持するため、感染症予防や消臭、空気清浄にも効果が期待できるとのこと。
雑草対策への新しいアプローチ
さらに、JR東日本が抱える線路脇の雑草対策にも苔が活用されます。これまでは雑草による視界不良や機器の誤作動など多くの課題がありましたが、苔を使った防除でその解決が目指されます。この取り組みによって、除草にかかるコストも削減され、環境への負荷を軽減する期待も寄せられています。
スナゴケシートの可能性
プロジェクトでは、土を用いずに特殊な不織布で栽培した「スナゴケシート」も導入されています。輸出にも適しており、軽量で運搬が容易なため、多様な用途に活用できます。例えば、カットして鉢に乗せたり、敷き詰めて苔庭を作ったり、さらには壁面に貼ってアートとして楽しむことも可能です。こうした新しい技術によって、天然苔の保護にもつながることが期待されています。
ベンチャー企業の協業の効果
この苔栽培プロジェクトは、JR東日本スタートアッププログラムの一環として進められています。このプログラムは、さまざまなアイディアを持つベンチャー企業や個人からの提案を受け入れ、鉄道事業やITビジネスにおいての新たなサービスの創造を目指すものです。グリーンズグリーンの取り組みは、このような協業の成功例の一つと言えるでしょう。
新潟県の美しい風景や豊かな自然を背景に、苔栽培がどのように地域活性化に貢献していくのか、今後が非常に楽しみです。
会社情報
- 会社名
-
株式会社グリーンズグリーン
- 住所
- 新潟県新潟市秋葉区秋葉3-18-5
- 電話番号
-
0256-36-7211